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俺と伊野尾は入所日こそ一緒だが、中身も見た目もまったく似ていない。
だが、こいつもどこか“普通”を抱えていて、それは大学生という身分に如実に表れている。
けれども俺の“普通”が芸能界からの逃げ道だとしたら、伊野尾の“普通”はこの世界でより適応するための方法だった。
肉食獣から逃れるためシマウマは早く走るようになり、キリンは高いところの葉っぱを食べるために首を伸ばし、芸能界で生き残るために伊野尾は大学生になった。
進化の過程ってやつだ。
「ふーん、なんとなく、ねぇ」
伊野尾はぽってりした唇の端に苦笑を浮かべる。
「薮はさぁ〜、いつもみんなの世話ばっかりしてるけど、肝心の自分はほったらかしだよな」と、カバンの中から今度はPCを取り出した。
どうやらレポートでも書くつもりなのだろう。
「薮もさ、少しは自分をよーく見た方がいいんじゃね？」
「は？それと光のカノジョとなんの関係があるんだよ」
伊野尾のしたり顔が気に障り、思わず低い声で詰め寄ったが、やつはPCの画面から顔を上げない。
カチカチとキーボードを叩く小気味よい音がしばらく続いたあと、「薮は客観的すぎて、自分を置いてけぼりにしてるんだよ、自分の身の回りのことを整理してみな」と、まるで小学生に道徳を説く教師みたいなことを言った。
その伊野尾のつむじは綺麗な渦を巻いていた。
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翌日のダンスレッスンは散々だった。
子供のころから世話になっている古参の振付師によるレッスンは、それはそれは手厳しくて遠慮なくダメ出しされた。
短い休憩をはさみながらも3時間びっちりとしごかれて、さすがの悪ガキたちもヘトヘトらしく、大人しく解散していく。
気づけばレッスン場に残っているのは、光と俺だけになっていた。
まじめな光は入念にストレッチをして、クールダウンをしているが、練習着のTシャツが少し小さくて、やつが動くたびに裾からチラチラと腹のあたりが覗いている。
レッスン中には気にならなかったその肌が、こうして二人っきりになった途端に急に俺の視線を吸い寄せた。
ふと、春のあの日を思い出す。
川沿いの桜を見て、肌を寄せて感じあった夜。
あれっきり、俺たちはあの
俺は高校卒業とともに女遊びを覚えて場数を踏み、光だってあどけなさが抜けてきた。
こないだ光のことを「色気が出てきた」とディレクターが褒めていたけれど、あれも満更お世辞じゃないだろう。
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しろくま(プロフ) - Ｑさん» 手のひらを返したような甘デレのやぶりんです（笑）長年拗らせていたら、ああなっちゃうのでしょうか？夜のご指導は…どうでしょうか？別の機会に（笑） (2019年5月9日 21時) (
レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
Ｑ(プロフ) - おまけもたっぷりで完結おめでとうございます！ゆうやま！可愛い。そしてぐるぐるしてたくせに、今はすっかり幸せ一杯の薮さんが可愛くって可愛いです。…しかし、ちょっと聞きたかったですよ~。薮さんのゆうとくんへの赤裸々な性活指導… (2019年5月9日 19時) (レス) id: ce22f02e95 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - はなこさん» はなこ様…ゆとやま作者様に読んで頂いて恐縮です(;^_^Aやまちゃんのお誕生日記念のつもりだっつたのですが、本人が登場しないという体たらく…。可愛いやまちゃんははなこ様で美味しく頂こうと思っておりますっ。コメントありがとうございました。 (2019年5月9日 9時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - みるみるみるきーさん» みる様、ゆーと担から殺されるかもしれん、と怯えつつ…。ゆーとくんはイケメンが過ぎるので、どうしてもこんな感じにしないと私には書けないのですな（笑）楽しんで頂けてよかったです〜。 (2019年5月9日 9時) (レス) id: 58687bcc1e (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！やぶひかが最近、ますます尊いのはこんな裏が…なんてリンクしちゃいました。そして、しろくま様のゆとやま〜っ！また是非ぶっ込んでくださいませ！ (2019年5月8日 23時) (レス) id: be0c1ceb57 (このIDを非表示/違反報告)
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