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side yuya
「悪い悪い!」
慌てて体育館に戻ると、もう既にミスコンは始まってた。
散々遅い遅いって文句言われながら、身を小さくして人と人の隙間に入り込む。
ステージにずらりと並んだ女の子達。
皆それぞれ綺麗な服着て個性的だ。
左端からサラーっと目で追って、途中で止まった。
「…え?」
スカート部分が大きく広がった深いブルーのワンピースを着た女の子。
ずば抜けて可愛い。
どうしても目が行く。
…ってのもあるけど、そんな事より…。
翠「エントリーNo.5、伊野尾翠です!」
大歓声が沸き起こる中、ただ呆然としてるだけの俺。
この子…さっきのあいつじゃねーの…?
.
途中から、完全に意識はこの子へ。
伊野尾…翠?
男なの…女?
訳が分からない。
.
結果は1時間後。
審査員の意見と、入り口に設置された一般投票箱の中身で決まるらしい。
それまでまた、校内を回るって言ってる友達と別れた。
目的は、あの子。
裏口に回ると、当然部外者は入れる状態じゃなかった。
出場者とその親や、裏方の生徒で騒がしい。
どうにか潜り込みたくてキョロキョロしてたら、後ろから肩を叩かれた。
「…!?」
翠「ここ、入れないよ。部外者は立ち入り禁止。」
振り向くと、あの子が立っていた。
翠。
翠「何か用?」
「いや、用ってゆーか…。」
翠「ナンパも禁止。一応だけど。」
そう言ってちょっと笑った顔が、やっぱりさっきのあいつと同じ。
「あのさ、さっき…。」
タバコ、注意してきたよね?
埴輪くれたよね?
何で女の格好してんの…?
何から聞いたらいい?
頭の中でぐるぐる言葉を探してたら、無駄に時間を使ってしまったみたいだ。
翠「あー…ゴメン、もう行かなきゃ。」
裏方に呼ばれ、パタパタと入口に走ってって…ピタリと止まって振り返った。
翠「投票もうした?まだならNo.5の伊野尾翠、よろしく!」
そう言ってピースサイン。
「あ…ああ、分かったよ…。」
呆気に取られて、ようやく出たのがこれだけ。
舞台裏へと続く入り口に消えていく翠の背中を見送った。
.
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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時