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side yuya
伊野尾君と初めて会った日、もらった埴輪。
来場者に配ってた、この手の平サイズのカラフルな埴輪は、伊野尾君たちの手作り。
あの日、この埴輪を貰って喜んでる俺を、伊野尾君はちょっと冷めた目で見てたっけ…。
持って帰ってTVボードに飾ってたんだけど、俺の知らない間に翠が持って帰ってたって事?
ああ、多分…あの日だ。
最後に翠がウチに来た、一昨日。
「翠…きっとあの時、もう俺の気持ち分かってたんだ…。」
伊野尾君が好きだって事。
この埴輪が伊野尾君に貰ったものだって事、知ってたんだろう。
俺の部屋から持って帰って、どうするつもりだったかは分からない。
だけど…これはきっと、翠の抗議。
慧「…もう、捨てといて。そんなの。」
「いや、これは俺のだから…持って帰るよ。」
埴輪をポケットに突っ込んだ。
それを横目で見てた伊野尾君がため息。
慧「…さて、こんなもんかな…。」
お棺に入れる思いつく物をまとめ、袋に入れた。
それを持ち上げ電気を切り、翠の部屋を出る伊野尾君の後に付いて行く。
隣が伊野尾君の部屋。
少しドアが開いてて、中が見える。
翠の部屋とは真反対…綺麗に整頓されてる部屋だ。
慧「…お茶でも飲んでって。」
「あ、うん…ありがと…。」
中を見てたの、気付かれたのかな。
伊野尾君に促され、階段を下りた。
.
翠がこんな事になって、初めて上がった伊野尾君の家。
伊野尾君はお湯を沸かしにキッチンに消え、俺は1人でリビングのソファで落ち着かない。
ぐるりとリビングを見渡すと、棚に写真が飾られてるのが目に入った。
高校の入学式。
校門前で笑う、伊野尾君と翠。
その横に、中学の卒業式の写真もあった。
今より少しだけ幼い顔した伊野尾君と、その隣の不自然な黒髪の翠…よく見てみたくて手を伸ばしたら、後ろから伊野尾君に声をかけられた。
慧「…変でしょ、翠。無理に真面目してるからさ、この時。」
「…ああ…そっか…なるほど…。」
荒れてた中学時代。
その後、高校入試のために黒髪に染めて真面目に勉強して…って聞いた。
写真から視線を戻すと、目の前に温かいお茶。
その向こう、何か言いたそうにしてる伊野尾君が座って俺を見つめてた。
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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時