Damage

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side yuya






昨日翠の親がウチに電話をしてきて、ケガした事が発覚。


とにかく眠りたくて救急は勘弁してもらったけど、朝になって痛みが酷くなった俺は、強制的に車に乗せられ病院に連れて行かれた。


昨日は出血に目が行ってたけど、打撲に骨折に…結構ヤバい。



幸い、折れたのは左手。


明後日の編入試験には響かないだろう。









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ガチガチに固められた左手は肩から吊り下げられ、不格好な姿で家に帰りついた。


病院は疲れる…。

フラフラとベッドに腰かけ、そのまま横になる。









とうとう昨日、伊野尾君に想いを伝えた。


ハッキリ口に出して、改めて自覚した…伊野尾君が好きだって事。



会った時から、ずっと。

同じ顔の翠と付き合いながらも、いつも気持ちは伊野尾君に向いてた。



それを押し殺し、誤魔化し…

そのまま翠と付き合い続けて、昨日のあれ。



きっと翠は気付いてる。

気付いて、傷付いて…。







「…ちゃんと、謝ろう。」




ベッドに横たわったまま、携帯に手を伸ばす。

寝てる間に翠からLINEでもあったかも、なんて思ったけど…誰からも連絡は無かった。




会って、ちゃんと話したい。

出来れば、明後日の編入試験までに…ってのは、俺の勝手だけど。








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今、学校だ。

昼間は学校で由愛とおしゃべりして、俺に返事なんて後回しなんだろう。


夕方は…何だ？

もう、授業は終わったはず。




何で既読にならないんだろう。




翠から反応が全く無いまま、夜になった。









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「もしもし、伊野尾君？」



翠からの連絡を待ってたら、伊野尾君から電話がかかってきた。


昨日の別れ際、伊野尾君の気持ちは聞けなかった。





おめでたい俺は、その返事で電話をかけてきてくれたんだって思ったのに…。







慧『高木。…今日、翠が死んだよ。』







返ってきたのは、到底受け入れがたい事実だった。









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