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side yuya
翠「…なーんてねっ!」
急にいつもの翠の顔に戻り、腕をつかんでた手の力も抜けた。
俺を見上げる目は柔らかく細められ、大きな口を開けて笑ってる。
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あの日から、翠とほとんど連絡を取らなくなった。
会えなくなるんだから、その分電話なりLINEなりしなきゃ…なんて思ってたのに、結局それもしていない。
…ってゆーか…翠に対して、こんな義務みたいな気持ちになってるって事に、自分自身驚いてた。
「翠…どうしてる?」
慧「どうって?…相変わらずだよ。毎日、由愛と一緒。」
「そっか。」
毎日って訳じゃないけど、翠の代わりにウチに伊野尾君が来るようになってしばらく。
出会いは微妙だったけど、俺と伊野尾君の関係は会う度に近くなってってる。
今日だって来るなりお菓子に手が伸びた。
俺の勉強なんてお菓子食いながら片手間で見てるって感じ。
それが居心地良くって、だんだんと翠の事は後回しになっちゃってるんだ。
慧「心配してんの?」
「や…まあ、うん。」
ボリボリとクッキーを頬張り、目線は俺のノートへ。
全く表情が無いし、声のトーンも変わらず。
「ちょっと…最後に会ったとき、様子が変だったから。」
慧「変って?」
「絶対放さないでってさ。…あんな、深刻に言われたら…。」
俺が書いた計算式をゆるゆると追ってた、伊野尾君のシャーペンの先がピタリと止まった。
「いつもの翠じゃないみたいで。そーゆー事、今まで言った事なかったし。」
慧「…高木。」
「え?」
慧「不安なんだよ、翠。ああ見えて、実は人間関係薄いからさ。」
不安?
人間関係が薄い?
伊野尾君の口から出てくる言葉に、違和感しかない。
文化祭で初めて会ったとき、典型的な人気者ってイメージだった翠。
俺との距離だってすぐに詰めてきたし、現に由愛っていう親友だっている。
細かい事なんか気にしないで、いつだって楽しそうにしてて…。
慧「高木が離れてくの、怖いんだよ。」
伊野尾君の視線がノートから俺へ。
まっすぐ見つめられ、思わずゴクッと喉を鳴らしてしまった。
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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時