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side kei
遅くなるつもりはなかった。
だけど気づけばもう夕方で、慌てて高木の家から出た。
雄也「伊野尾君、約束忘れないでよ!」
「分かってるって。でかい声出すなよ。」
駅まで送ってもらったのはいいけど、やたらテンションの高い高木が騒ぐから人目が気になって仕方がない。
ほら、また知らない人がこっちを見て笑ってる…。
.
.
翠「慧、おかえりー。遅かったじゃん。」
家に着き、ドアを開けたら翠が丁度階段から降りてきたところだった。
既に部屋着に着替えてて、手には可愛い紙袋。
翠「これ、由愛から。慧に渡してって預かってきたんだー。」
「あー…そう。」
翠「何、その反応。もっと嬉しそうにしなって。」
呆れたように笑いながら、俺の胸に紙袋を押し付けてきた。
ふわりとバターの香り。
紙袋の中は、可愛くラッピングされたチョコチップクッキーだった。
翠「由愛、昨日遅くまで焼いてたんだって。」
「…へぇ。」
翠「慧にはこんな立派なのあげるのにさぁ…私には割れて失敗したやつだよ!?親友なのに酷いよねー!」
嫌だな、この話。
別に由愛が嫌だってわけじゃない。
こうやって、翠が必死に俺と由愛の間を取り持とうとしてるのが嫌なんだ。
翠「愛されてるねっ!慧!」
「…あのさ、翠。」
一呼吸おいてからにしようと思ってたのにな。
こんなタイミングで言っちゃう予定じゃなかった。
「高木、俺たちと同じ高校に編入するつもりだって知ってる?」
翠「えっ…。」
驚いた翠の顔を見ると、一気に罪悪感が押し寄せてきた。
きっとこんな話、高木本人から聞きたかっただろうし…誰よりも先に知ってたかったはず。
俺を射抜くような翠の瞳に負け、目線を下に逸らした。
「…お前、学校辞めたいって言ったんだって?」
翠「…。」
「高木が心配してた。」
心配、確かにしてたけど。
「せっかく高木が頑張ろうとしてんのに…お前が辞めちゃったら何にもなんないじゃん。」
…本当にこんな事を言いたいの?俺。
翠「…ごめ…ちょっと、混乱してる。明日、雄也と話すから…。」
右手は自分の頭に、左手で俺の話を制止。
くるりと背を向けて自分の部屋へと戻っていった。
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きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんあけおめでございます!何も考えずにつけたお名前でしたが、なるほど甲本さん…(笑)翔君と同期の設定なので、若めに変換して読み進めてくださいませ。続編の準備が出来ましたので引き続きおつきあいください。2は初っ端から…やばば( ;∀;) (2018年1月3日 18時) (レス) id: 782f9227dc (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あうぅーー。なに?どうなるの?!え?甲本はなにするの?!やーばい、やばい。あの甲本さんが浮かんでるるる。こないだ金八先生見たばっかだからーー。 (2018年1月3日 0時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - ヨウコさん» ヨウコさんの絶叫ゲット(笑)先は長いので程々に…(;´Д`)もうパス復活のタイミングが分かんなくなってきてるとこです☆どうにでもなれ〜い(笑) (2017年12月28日 15時) (レス) id: cb24d66707 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウコ(プロフ) - うわぁぁぁ!そうきたかーー!やっぱりきょんふぁさまのとこには私叫び声をあげるんですねー!うおーーー!何をどういったらいいかわからないーー(>_<) …はあはあはあ…沼ですかそうですか。私またどなたかと手を繋いで震えながら読み進めないとだめですね… (2017年12月27日 18時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
きょんふぁ(プロフ) - みるみるみるきーさん» 姐さんに好きと言ってもらえて嬉しい(*´▽`)でもこの先沼が待ってます。どうか引かれませんように(笑) (2017年12月27日 17時) (レス) id: fd52a08e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京華 | 作成日時:2017年11月27日 22時