子育て短編集【アイナナ】 (ページ9)

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天パパページ9

九条凪音(なぎと)くん 0歳

昨日、第1子の風音が生まれた。

天には連絡をしたが既読も付かない。

A「忙しいの分かってるし…」

それでもワガママ言いたい。こんな日くらい隣にいて欲しかった。

生まれたのは、昨日だ。

A「………ばかばかぁ、ばかばかばか」

泣いたって来ない。嘆いたって聞こえない。

＿＿＿すると凪音がけたたましく泣き出した

A「！な、凪音…泣き止んで、ごめんね、ごめん………」

必死に涙を拭うけれど頬をつたるそれは凪音の顔にぽたぽた落ちる。

更に泣き出す凪音。

A「どうしたらいいのっ」

私も混乱して涙が流れる。私と凪音の涙の悪循環。

天「A!!」

扉を壊しそうなくらいの勢いで飛び込んできた天。

A「天」

自分でもびっくりするくらいハッキリ声が通った

そんな私に構わず肩を引き寄せて抱きしめられる。

天「ごめ、僕……、ごめん、こんな大事な…日」

乱れた髪に、苦しそうな息。

天「寂しがらせた、Aも凪音も」

唇を強く噛んで俯く天。さすがに慌てて止める。

天「言い訳なんて、言うつもりは無い。本当に、本当にごめん」

ついには大きな瞳から一筋の涙が溢れた。

A「怒ってるよ、凪音の生まれた日は昨日だもん。

せめて、遅れてでもいいからその日以内に来て欲しかった」

A「でも弱気な天を見るのはもっと嫌。許してあげなくもないからシャンとして」

普段はこんな事、絶対に言わない。ちょっと天を真似てみた。

天「…そうだね、これからは涙じゃなくて笑顔、零させてあげる」

天「1日遅れのHappy Birthday、凪音。おめでとう」

そう言って微笑む天に、凪音も自然と笑顔になる。

天の魔法。私も不思議と笑顔になっちゃうんだ。

A「天、」

名前を呼ぶと同時に重ねられる唇。

これは仲直りの魔法。

許しちゃう私は天に甘いのか、それとも甘いのは天の＿＿＿＿＿＿＿＿

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陸くんのストーリーと対等に、「子供が生まれた時」の天くんです

陸くんは「ありがとう」を、天くんは「ごめん」をキーワードにしました。

NEXTリクエストのあった一織！