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シュートを放った佐久間くんは体を抱えて苦しそうにしていて、そのシュートは円堂くんのゴットハンドを破りゴールに突き刺さった。
鬼「皇帝ペンギン1号は禁断の技だ!二度と使うな!」
シュートを3回打つと二度とサッカーができなくなるという。
影山はどこまでも汚い男だ。きっとこれも選手が勝つために勝手にやったなどと理由をつけて責任は一切取らないつもりに違いない。
続いて雷門が放った皇帝ペンギン2号を源田くんがビーストファングでしっかりとキャッチする。
しかしボールを持って蹲る姿は佐久間くんと酷似していた。きっとビーストファングも禁断の技だ。
彼らはサッカーが好きだからここまでして勝ちたいと願っていて、鬼道くんたちは彼らが好きなサッカーを奪いたくないから戦っている。
私とは違う。サッカーが怖くて嫌いになってしまった私とは。
0-1で帝国リードのまま前半が終わり、後半は監督の指示に従うように命令が下された。
後半が始まってすぐ、染岡くんと吹雪くんのワイバーンブリザードで1点を返す。
追加点で勢いづいた雷門がもう一点とゴールを狙いに行った矢先、不動くんのラフプレーで染岡くんが足を負傷。
目金くんと交代はせず、影山なんかに負けたくないのでピッチに置いてくれという染岡くん。
サッカーが好きだった人がサッカーを嫌いになってしまう苦しみは人一倍分かっているつもりなのに。
私と同じようになって欲しくない、と思うがフィールドは目の前にあるのにとても遠くに感じ、間には底の見えない谷があるようだった。
試合は膠着状態で残り時間が少なくなる。
不動くんは一之瀬くんにボールをぶつけてボールは佐久間くんへ。
放たれた皇帝ペンギン1号は鬼道くんの捨て身のセーブと円堂くんのマジンザハンドで止められた。
サッカーが好きだからこその勝利へのこだわり。強くなりたいと願うのは当たり前のことなのに、これではサッカーを失ってしまう。
俯いて膝の上で拳を握るだけの自分はどうしてここにいるのだろう。
ハッとした時には佐久間くんの苦しみを含んだ3回目の皇帝ペンギン1号の声。
染岡くんがそのシュートを弾いて倒れる。
佐久間くんも倒れて試合終了のホイッスルが鳴り、壮絶な光景に皆が立ち尽くしている。
『監督!救急車を、』
瞳「分かっているわ、救護を要請します」
潜水艦が爆発し始める。
この機会を逃すともう二度と影山には会えないかもしれない。
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しおらん(プロフ) - 凄くいいです!!無印大好きなので続きとても気になります!!更新頑張ってください!! (2022年11月30日 16時) (レス) @page19 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
円堂天利(プロフ) - 私も無印大好きです!更新頑張ってください! (2019年12月21日 20時) (レス) id: 4b53f6d2dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水月 | 作成日時:2019年4月2日 21時