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帰って来てしまった。
あんなに楽しい旅行から。
次の日の学校ほどつらいものはない。
教授の話なんて全く耳に入ってこなかった。
時間割表をカバンから出してぼんやり。
よかった、2時間空く。
久しぶりに食堂でコーヒー牛乳を飲もう。
「A、聞いてないでしょ?」
「えぇ、、うん」
隣で座って一緒に授業を受けていたウルにクスクス笑われてちょっと恥ずかしくなる。
私は改めて姿勢を正した。
「昨日、楽しかった?」
「う、うん」
ウルとジニには「ジョングクくんの課題の手伝いで慶州に行く」とは伝えてある。
泊まりとは伝えてない。
「何か進展はあった?」
「な、ないよ」
「ふふふ、歯切れ悪くない?」
笑いが堪えられなかったのか、割と大きな声になってしまったウル。
慌てて咳払いをしてごまかす。
「想いは伝えた、よ…」
「えっ!ジョングクくんどんな反応だった!?」
「嬉しそうだった」
「で!?」
「キ、キスを、したよ」
「他は!?」
ウル…。
目を輝かせて私に迫る。
ちょっとジョングクくんに似てる。
「……えっと、、えっちもしたよ」
「きゃーーー!」
「ちょ、ウル!!」
講義中に叫ぶとかありえないよ!!?!
どっ、と音が聞こえそうな勢いでみんなが私たちの方を見る。
恥ずかしさで顔が熱くなる。
「ごめんなさい〜。虫がいました〜」
悪びれなく、慣れたようにそう言ったウルに周りはやれやれと言った様子でまた前を向いた。
私もホッと胸をなでおろす。
「びっくりしたよ〜!」
「びっくりしたのはこっちだよ!叫ぶとは思わなかったよ…」
「ごめんごめん」
へへへ、と笑うウルに思わず大きなため息が出る。
「そっちこそ、ナムジュンとはどう?」
「付き合ってからナムがめちゃくちゃ優しいよ」
「元からナムジュン優しいじゃん」
「それ以上に!なんかもう申し訳ないなって思っちゃうくらい優しいよ!」
「子ども出来たらすごい過保護になりそうだね」
「Aやめてよ、気が早いよ」
そう言いつつも顔を赤らめるウル。
幸せそうだ。
友達とこうして好きな人の話をすると満たされた気持ちになるのはなんでだろう?
それと同時に会いたくなる。
早く夜にならないかな。
早くジョングクくんに会いたい。
昨日までずっと一緒にいたはずなのに、もう恋しくて仕方ないのだ。
まるで依存症のように。
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時