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そんな目で見つめないで欲しい。
なんで私をそんな風に愛おしそうに見つめて、抱きしめてくれるの?
おかしいよ。
「…ジョングクくんに、」
「俺に?」
「彼女がいるから」
ジョングクくんはがばりと体を私から離して、信じられないといった顔でこちらを見た。
「あいつに何かされたんですか?」
やっぱりいるんだ…。
「何もされてないよ。でも、彼女がいるのにこんな…」
「てか何で知ってるんですか?」
「人に聞いた…」
そう言うとジョングクくんは大きなため息をついた。
「彼女がいるのに私にそんなこと言うのやめてよ。
こんなの…いけないことでしょ?」
「…だって好きになっちゃったんです」
ジョングクは素直にそう言った。
いつもの顔で、当たり前のように。
「それに、俺…」
少し眉間にシワを寄せるジョングクくん。
「まあいいよ。Aさん、で。
話がそれてますよ。俺の彼女と家庭教師の何が関係あるんですか」
「それは…」
ジョングクくんにじっと睨まれると言葉が出なくなる。
あなたが好きだから。
でも、私たち両思いってこと?
そう思っていいの?
「わかんない、どうしていいのか…」
「…」
「Aさん俺のこと好きですよね?」
「えっ」
「じゃあ嫌い?」
「違う…」
「なら辞めないでください」
「…ジョングクくん、」
「これは俺のワガママです。Aさんに事情があったとしても、俺のワガママで仕方なく家庭教師は続ける。それでいいじゃないですか」
ジョングクくんが私の手をそっと握った。
「Aさんは悪くない。
俺のこと好きか嫌いか関係ないです。
全部俺のせいにしていいですから、だから辞めないでくれませんか?」
なんで…。
なんでこんなにも私の胸を締め付けるの?
ぎゅっと胸が痛む。
家庭教師をやめるという選択肢はもう私の頭になかった。
「…わかった、家庭教師、やめない」
「ほんとに!?」
ジョングクくんがぱあぁと顔を輝かせた。
嬉しそうに勢いよく抱き着いてくる。
私もそっと抱き締め返すとぐりぐり頭を寄せてくる。
これでいいのかな?
全部、ジョングクくんのせいにして、いいの?
でも内心「もういいや」と諦めている部分はある。
彼女がいても構わない。
こんなに私を好きだと言ってくれている。
なら拒否なんてする必要ない。
「ジョングクくん、学校は?」
「サボっちゃダメ?」
「だめだよ!」
「ええ…」
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜!テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです!更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります!! (2017年4月4日 1時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます!本当ですか〜!嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます!嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します!これからも頑張ります! (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです! (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2017年3月6日 14時