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「オッパ！」
人目を気にせず私は彼に抱きついた。
目一杯の力で。
ユンギさんは驚いた様子を少しだけ見せたけれど、「痛い痛い」と苦笑いした。
「どうしたんだよ」
「会いたくて…ごめんなさい」
「謝んなって」
腕から力を抜いて、しっかりとユンギさんと見つめ合う。
彼の優しい眼差しにいつも安心させられる。
「俺たち邪魔？」
「ナムジュナ〜散歩でもして来るか〜〜！」
気を利かせたのか、2人は小走りで私たちの前からいなくなった。
「ホソクから聞いた。家庭教師やめるって？」
「うん」
「なんで？」
「なんか、やりたくないの」
「…そっか」
「ねぇオッパ」
「んー？」
「キスしてもいい？」
「お？」
ユンギさんが細い目を少しだけ見開いた。
動揺したのか体も固くなる。
「どうしたよ本当に」
「…だめ？」
「だめじゃないけど」
「今までした事なかったから…」
「あー…そっか。そうだよな。ごめん」
「ううん」
ぶんぶん首を横にふる。
なんでユンギさんが謝るの？
謝らなきゃいけないのは私の方なのに。
でも言えない。
ユンギさん以外を好きになってしまったなんて。
言えない自分。
卑怯だ。下劣だ。
そう思うけれど、私は真実を口に出せない。
ゆっくりとユンギさんの顔が近づく。
「目、閉じろよ」
「っ、あ、ごめ、」
慌てて目をぎゅっとつぶると、クスクスとユンギさんの笑い声が聞こえた。
そして触れるだけのキス。
柔らかくて薄い唇。
「ユンギオッパ…」
「元気出たか？」
「うん…。ありがとう」
「んーん」
優しい眼差しで、私の頭をぐりぐり撫でる。
今私はユンギさんで満たされた。
ユンギさんに包まれて、ユンギさんの香りしかしない。
すっごく落ち着く。
ユンギさんはお兄ちゃんみたい。
…お兄ちゃん。
自分の考えたことにハッとさせられた。
私はもしかしてユンギさんをお兄ちゃんとして見てるんじゃないだろうか。
「家まで送る」
「えっ、そんな、悪いですよ」
「いいよ。ホソガたちに連絡しとくわ」
「ごめんなさい…」
「謝んなよ。ほっとけないしAのこと」
「ありがとう…」
もう一度彼は私の頭を撫でた。
ユンギさんが2人に連絡をしているあいだ、彼の声に耳をすませた。
大好きな声。
ちょっと気怠げで低い。
「明日、家庭教師の日？」
「うん。たぶん最後になると思う」
「頑張れよ」
「うん」
ユンギさんに勇気をもらって、私は少し元気になった。
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ソラン(プロフ) - かんなさん» コメントありがとうございます〜！テヒョンの作品も読んでくれたんですね(;o;)嬉しいです！更新は遅くなってしまいますが、これからも頑張ります！！ (2017年4月4日 1時) (
レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 今までのテヒョンのお話も大好きで読んでいました。ソランさんの作品はキュンとしてすごく切なくて引き込まれます。これからも楽しみにしています。頑張ってください(*^^*) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7593378807 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - みいさん» コメントありがとうございます！本当ですか〜！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - しーさん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜(;o;)お気遣い感謝します！これからも頑張ります！ (2017年3月28日 23時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
みい - やばい。めっちゃキュンキュンする。 続きが楽しみです！ (2017年3月28日 19時) (レス) id: aeaf7211ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2017年3月6日 14時
