検索窓
今日:27 hit、昨日:11 hit、合計:165,185 hit
小｜中｜大

＋＋＋＋＋ ページ42

.


『え、なんで俺。Aも何とかしろよ』

『仲間置いてっても、別にいいから。
お前はお前の道を進め、辰馬』

『はい出ましたAのお兄ちゃん無視攻撃。
心がイターイ、痛いな〜』

『他の奴らがなんと言おうと辰馬の故郷は地球(ここ)なんだから。
故郷に帰ってくる理由なんざいらないだろ』




坂本はキョトンとしながら、何も言わず黙っていた




『もし、理由が必要なら…そうだな。
じゃあ私がお前のこと待ってるから。
いつでも帰っておいで』

『……高杉はまっこといい女捕まえたのう』

『お兄ちゃんは認めてません。
あんな低杉くん認めません』

『銀時は晋助のこと嫌いなだけだろそれ』

『……おまんが待っててくれるなら、わしゃあまた、いつかここに来るぜよ』

『そ。
んじゃ今度会う時はうまい酒でも持ってもってこいや』

『あ、じゃあ俺には甘いもんよろしく』

『あと飯』

『奢りでよろしく』

『アッハッハッハッハッおまんら集りすぎじゃ』




そうして、坂本は戦線を離れ一人宇宙へと向かうのでした









『…………………』

『辰馬、行ったそうだな』

『ああ、今朝ね。
メッチャ朝早いもんだから眠くて仕方ないわ』




外で一人防具を磨くAの隣に現れたのは高杉でした

坂本が居なくなったことは義勇軍にも大きな痛手ではありましたが、もとより怪我で前線にも出れなかったため誰もがやむなしと誰も咎めるようなことは言いませんでした

けれど、あのバカでかい笑い声が聞こえなくなったここはいつもよりも暗く見えました




『……晋助』

『なんだ』

『あんたは怪我、しないでよ』




Aはたんたんと言ったが、その声には強い願いが含まれてる気がして高杉は磨くAの手を取ってそのまま抱きしめた




『晋助？』

『……お前も、怪我すんなよ。
どんだけ強かろうがお前は女なんだからよ』

『戦争出てて怪我すんなってそりゃ無茶ぶりだわ』

『お前が言ったんだろうが』




こんな些細な言い合いも二人にとっては、幸福な時間でした

命の危険もなく、愛しい人と触れ合える

それは、幸福以外の何物でもありませんでした




『ねぇ晋助』

『今度はなんだ』

『私が怪我したら、どうする？』




その声は何となく聞いてみた、というような軽い口調




.

＋＋＋＋＋→←＋＋＋＋＋



→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )

点数: 9.9/10 (188 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
449人がお気に入り
アイコン この作者の作品を全表示｜ お気に入り作者に追加｜アイコン 感想を見る
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム： 感想：  ログイン

江(プロフ) - Milkさん» コメントありがとうございます！好きと言っていただけて凄く嬉しいです！これからも愛読よろしくお願いします！！ (2020年5月8日 12時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
 Milk - 初コメ失礼します！！本当に本当にこの小説すごく好きです…！！ (2020年5月4日 15時) (レス) id: b976b329cf (このIDを非表示/違反報告)
 江(プロフ) - 白狼龍さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
 江(プロフ) - ☆ねこ☆ねこ☆さん» コメありがとうございます！これからもハラハラドキドキしちゃってください！ (2020年5月1日 16時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
 白狼龍 - 面白かったです！ とても続きが気になります(*´∇｀*) (2020年4月26日 22時) (レス) id: b10076b070 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名：江 | 作成日時：2020年3月13日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。