菫と果実《Kei.i》 (ページ5)

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慧「名前は？」

貴方「え、？」

慧「名前はなんて言うの？」

貴方「わ、私ですか、？」

いきなりのことに言葉遣いも崩れてしまう

女将「A！お客様の前です！

言葉を慎みなさい」

貴方「あ、申し訳ございません、、、」

慧「ふはっ、！いいのに～

で、君の名前は？」

貴方「わ、わっちの名は

Aでありんす」

慧「へぇー、Aね

綺麗な名前だね」

貴方「え、、？」

慧「ん？

綺麗な名前だねって

噂通り容姿も綺麗だし」

貴方「う、噂、、、」

あぁ、やっぱりこの人もだ

ただ美しいって言葉に踊らされて

興味本位だけでここに来たのだろう

それがとても悔しくて嫌で

嫌悪感を抱いてしまった

私がそんな思いを抱いていい相手ではないのに

私はそんな身分ではないのに

・

・

慧「寂しそうな顔をするんだね」

貴方「え、？」

慧「嫌なんでしょ？

美しいって、容姿だけ見られるのが？」

なんで、

なんでわかるの？

貴方はなんで私の思いがわかるの？

そんな人今までいなかったのに

今まで私が噂の少女だからって思いを知ろうとするやつなんていなかったのに

貴方「そ、そんなことはござりんせん

ご冗談はいいなんすな」

素直じゃない私はそうやって笑って見せたのに

慧「ふはっ！嘘が下手だね」

貴方「え、

そ、そんなことは、、、」

貴方はなんで気づいてしまうの

慧「決めた！

今宵は俺がこいつを買おう」

貴方「え、、、」

女将「え、い、伊野尾様？

何をいい出しますか？、」

慧「だーかーらー！

今宵は俺がこいつを買うよ」