【オリジナル】後輩君と転校生【派生/合作】 (ページ35)

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Episode15「二人」【月城蒼飛】ページ35

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あの日から夜は、俺の学園生活を見に来る様になった。

授業中とかは、たまに教室内に入って来て、授業参観かの様なスタイルになったり。

…特に多いのは部活中。

陸上部はグラウンドで活動する事が多く、夜にとって俺に1番近付きやすいのだろう。

「あっおとー!!」

そう言いながら、毎回走って来ては腕を組んで来る。

幼馴染だし、別に嫌な訳ではない俺は、夜を突き離す事は無かった。

「なぁ月城。あの子彼女?」

「めっちゃ可愛いよな…俺告ろうかな」

「止めとけ。あの子に月城という彼氏居んだから」

そんな会話を良く耳にする。

…何でそんなに話題にしたがるのか、俺には理解出来ない。

「(もっと見せ付けないと!蒼飛は私のって事を、分からせなきゃ!!)」

ある日の事、俺はいつもの様に夜と一緒に居た。

今日は休日だったから、街中に来ていた。

「ねぇねぇ蒼飛、今日は何処に行く?」

『あー、どうしよっかなぁ…』

俺は何処に行こうかとキョロキョロと辺りを見渡した時、ある光景が目に入った。

「蒼飛?」

そんな夜の俺を呼ぶ声に返さず、光景に釘付けになった。

…綾萠先輩と、美人な女子が一緒に居る所を、俺は目撃してしまった。

『(俺よりも、女子の方が居やすいのかな…)』

ふと、そんな事を考えてしまった。

綾萠先輩は性別が無い。

…だから、女子も綾萠先輩と付き合う事は有り得るのだ。

「ふふっ」

横から微かに笑い声が聞こえて来た気がする。

「ねぇ蒼飛ぉ」

『…ん…?』

「だ・い・す・き♡」

耳元でそう囁き、俺の頬に口付けする夜。

…夜の微かに頬を赤らめた顔に、一瞬ドキッとした。

「んふふ〜♪」

俺の腕に絡み付き、笑顔を浮かべる夜。

『…』

…俺はどうするのが正解なのだろう。

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