【オリジナル】後輩君と転校生【派生/合作】 (ページ27)

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Episode11「いじめ」【望月綾萠】ページ27

『ｯう、ぁ....』

ドガッ、という鈍い音と共に、僕の腹部にめり込んだ重い蹴り
思わず、その場に蹲る

「キモすぎ、性別ないとか何なの？」
「そんな体でよく蒼飛君に関われるね」

私だったら恥ずかしくて顔も見れな〜いww、とぼくを嘲笑(わら)う佐野さんとその取り巻き達。

何故、こんなことになってしまったのか

『(ぼくが馬鹿正直に先輩らしく、なんて思っちゃったからだろうな)』

我ながら馬鹿すぎて笑える
いやこの状況だと何一つ笑えないが、
と、取り巻きの一人である自分の後輩を見やる

「写真の撮り方でわからないところがあるから見てほしい」なんて言われて行ってみたらこれだ。

何故彼女があの場(高体連)に居た一人だと直ぐ気付けなかったのか
いつもだったら山田が直ぐ気づいてくれていた

少し、山田に頼りすぎていたらしい。天罰だな、と、自嘲気味に笑う

「..何笑ってんだよ、化け物(・・・)」ﾄﾞｶﾞｯ

『っう、、』

あはは、キラリ最高〜wwwなどと言いながら、彼女らはぼくに殴る、蹴るなどの暴行を加える

痛くて、痛くて、それと同時にあの頃(・・・)のトラウマまでもが蘇ってきて、

正直、体の痛みより“化け物”と罵られた方が精神的にキツい

ぼくは化け物じゃない

そう言い返す勇気が、ぼくにはなかった

その時、

「...なぁ、何してんだよ」

低く、怒気を孕んだ蒼飛くんの声が、校舎裏に響いた

「あっ、蒼飛君!?」

ぼくをいじめていた現場を蒼飛くんにみられたからか、佐野さんの顔に動揺が走る

再度、蒼飛くんが問いただすと、

「だって、先輩は...私が蒼飛君の彼女って何度も言っているのに、高体連まで追いかけて来て、挙げ句の果てに応援までしたんだよ!?人の彼氏に手を出すって許せなくない!?」

私は何回も忠告したのに！！と、絶叫する佐野さん

ぼくは目の前の人が言う言語を受け入れられず、脳がぐちゃぐちゃになって＿＿＿

気付けば、その場にはぼくと蒼飛くんの二人しか居なかった

「綾萠先輩、怖がらせてすみません...怪我大丈夫ですか?」

『蒼飛くん...ありがとう...助かった』

本心だった。
蒼飛くんが助けに来てくれた。ただ、それだけが
ぼくにとっては、かけがえのないことだから。

ぼくの怪我を見て、辛そうに顔を歪める

平気だよ、大丈夫。ぼくがそう言う前に、蒼飛くんに横抱きにされていた。

痛みでまだ朦朧とする頭で、蒼飛くんの体温が直に伝わってきて、

酷く、心地よかった