【名前変換オリジナル】儚い恋を夏休みに (ページ11)

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病院__

「…はぁ、っ…はぁ、っ…」

『叶恵!大丈夫か!』

彼女が苦しそうにもがく。

「くる、しいよ、ぉ…!」

『叶恵…!』

俺は弱々しい彼女の手を、優しく握る。

「A…」

彼女は俺を辛そうな目で見る。

『何だ…?』

「今まで、ありがと、う、ね…幸せ、だったよ…」

『叶恵…?』

彼女は微かに笑い、目をゆっくり閉じて行く。

俺の手を握り返していた力が、徐々に無くなって行く。

『おい!目を覚ませよ!』

声をかけても返事は無い。

『なぁ…死なないでくれよ…』

俺は声を震わせ、崩れ落ちる。

『なぁ、ってばぁ…っ、ｸﾞｽｯ…』

彼女の心音が止まった事に気付いたのか、医者や彼女の家族が病室に入って来た。

『叶恵…あぁ…ｸﾞｽｯ、“死なないで”って、言ってるじゃんか、ぁ…』

俺はずっと泣き続けた。

病室を出て家に帰っても、ずっと泣き続けていた。

彼女が居ない日々は俺にとって、退屈な日々だった。

…でも、彼女に会いに行こうと、死ぬ事は許されない。

許される気がしないんだ。

『絶対に、毎年会いに行くからな』

俺は空を見上げて、呟いた。

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