狂ってた10 渉side ページ10
ﾋﾟｯ＿＿＿ﾋﾟｯ＿＿＿＿＿
規則的な機械音。
真っ白な病室のベットに、浅い呼吸で眠っているA
Aの手を握り締め、私は動けないままでいた。
当たりはしん、として、まだ暖かな季節のはずだが
この部屋だけは異様に冷え切って重たい空気が流れている。
「………………」
ﾋﾟｯ＿＿＿ﾋﾟｯ＿＿＿＿＿
『………………』
Aは起きない
ﾋﾟｯ＿＿＿ﾋﾟｯ＿＿＿＿＿
唇はすっかり青くなり、肌の色も血の気がない
ﾋﾟｯ＿＿＿ﾋﾟｯ＿＿＿＿＿
死んでいるのではないかという疑問さえ出てくる
ﾋﾟｯ＿＿＿ﾋﾟｯ＿＿＿＿＿
だが、この機械音のおかげで心臓が動いていることは分かる。
妹が起きない。
ライブにこさせるべきではなかった。
まだAには早かった。
私がそこまで考え至らなかったせいだ。
私のせいだ。
私のせいでAが起きない。
私の
私のせいで、
もっと、配慮すべきだった。
もっと、
分かっているつもりでいたのに、
私のせいで、
私のせいで、
私の、、、
「………………A」
私の、大切な、可愛い可愛い妹
「私が、兄さんが全て悪かったです」
起きて、A
ごめんなさい、A、ごめんなさい
「A、あなたの為に、スペシャルなショーを披露しましょう…☆」
「おや、A！何も無いところからこんなに沢山のお花が！」
「破れた紙だってこの通り！A見てください、また元の綺麗な紙に戻りました〜☆」
「ほぉら見てください！お菓子が沢山出てきます！Amazing……☆」
「楽しいですねェA！貴女も一緒にどうです？」
「一緒に、」
わかってる
「一緒に、」
わかってますよ
「、A」
どうせ独りよがりです。
「いつ、、、お目覚めになりますか」
起きないかもしれない
お医者様によると疲労と精神的な問題で倒れたそう。
「まったく、お寝坊さんですね」
もしかしたらAは、退屈な日々に戻るより記憶の中で生きることに決めたのかもしれない
楽しいライブの記憶に閉じこもることで、これ以上自分を傷つけないよう自己防衛をしているのかもしれない
でも駄目です。駄目です
「A……あなたが居なくなれば、私はどうすればいいのですか」
ひとりにしないで下さい
誰でもいいです
誰でもいいのでどうか、
どうか、私の妹を＿＿＿＿
『…………』
◇
続く (更新停止中)
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ライ(プロフ) - ヤダァなにこれぇ…泣切ないけど渉さんの優しさが身に染みるいいお話です…！ (2022年12月11日 20時) (
レス) @page10 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅 - 今日初めてこの作品を見させていただきました！とても面白かったです！切ないお話でしたが、続きがとても気になります✨️更新楽しみにしていますね😍💕 (2022年8月3日 23時) (レス) @page11 id: c1e168e932 (このIDを非表示/違反報告)
狐爪(プロフ) - 久しぶりに見に来たら妹さんのお顔が見れてびっくりしました…！貴方様の作品の大ファンです。更新、気が向いた際にして頂けると嬉しく思います。 これからも陰ながら応援させて頂きたいです。何時まででもお待ちしています。 (2022年8月3日 21時) (レス) @page11 id: 6cbe841a5b (このIDを非表示/違反報告)
狐爪 - 今日初めてこの作品を拝見させていただきました。小説の更新をしていただき本当にありがとうございます。読者としてコメントを残すことしかできませんが、陰ながら応援させていただきます。無理のない範囲での更新、心よりお待ちしております。 (2021年4月3日 23時) (レス) id: b0b9c49207 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - とても素晴らしいと思いました。渉さんは好きなので妹さんへの対応なども素敵で!狂った夢主も素敵で!この作品、とても私の趣味にドストライクで最高です!途中で更新が止まっているのは残念ですがこれだけでも素敵な素晴らしい作品をありがとうございます。 (2018年12月19日 0時) (レス) id: 4d1dfc2834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祢々切丸007号 x他1人 | 作成日時：2018年1月4日 1時
