No.57 ページ7
．
そして同じ頃、事務所の中が少し慌ただしくなった。
人がひっきりなしに出入りしていて忙しそう。
『あの、北人さん』
「なーに？」
忙しなく動き回る人たちを横目に、ゆっくりソファでくつろいでいる北人さんに声をかけた。
『なにかあったんですか……？』
「あー、、」
私の問いを聞いて身体を起こすと、面倒くさそうな表情を浮かべる。
「なんか、俺らに楯突く人たちが最近ヤンチャしててね。その相手に大忙しなの。ほんと最悪」
うへぇと顔を歪めた北人さん。
『北人さんは行かないんですか？』
「俺たちは陸さんとかの実働班が動かなきゃ仕事ないからねえ。まあ、そろそろ呼び出されるんじゃない？」
「壱馬さんのチームが現在衝突中と連絡来てますよ」
「えぇ〜めんどくさ〜」
横から教えてくれた拓磨くんの言葉に、北人さんはため息をついた。
「まあ、今どこよりも忙しいのは情報班の方だけどね」
「いやあ、ほんとですよ」
声のする方を振り返れば、覚束無い足取りでこちらに歩いてくる龍くんの姿があった。
どかりと横に座って擦っている目の下には、はっきりとした隈ができている。
「俺もう液晶見るの嫌です」
「ハハ！だろうね。翔吾は大丈夫？寝れてる？」
「あの人もう三徹ですよ……そろそろ強制的に帰らせて布団に突っ込まなきゃ……じゃあ北人さん失礼します」
来たばかりなのに立ち上がってまたフラフラと部屋を後にする龍くんを、「そんなんで運転したら事故るから！」と慌てて拓磨くんが追いかけていた。
何も言わないだけで、健太も毎日危ない場所にいるのかな。
まだ耳に残る銃声の音を思い出して少し身体が震える。
……日常が少しだけ変化したのはきっと忙しいのに関係があるんだ。
自分にそう言い聞かせれば 少しだけ気が楽になった。
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熊猫(プロフ) - コトリさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ありません🙇💦以前からコトリさんの作品を読ませていただいていたので、コメントいただけたことにビックリしながらもとても嬉しいです！読んでいただきありがとうございました🙏✨ (2022年9月6日 12時) (
レス) id: 909b68a48b (このIDを非表示/違反報告)
コトリ(プロフ) - はじめまして。完結からだいぶ経ちますが作品読ませていただきました！ほんっとうにおもしろかったです…。宛書きですか？というくらいリアルで、脳内でドラマ化…。健太さんのクールな部分と柔らかい部分も読みごたえ抜群でした。素敵な作品ありがとうございます。 (2022年5月6日 11時) (レス) id: 16f707b051 (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます😭🙏✨色々伏線を張ってはいたものの本心まではたどり着けていなかったので、この番外編でお話できて良かったです😂最後まで読んでいただきありがとうございました🙇♀️ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0ec074764d (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - Kazumiさん» コメントありがとうございます🙏✨自分の書いたお話でそこまで楽しんでいただけたかと思うと飛び上がるほど嬉しいです😭本当にありがとうございました！ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0ec074764d (このIDを非表示/違反報告)
熊猫(プロフ) - 余白のむらさん» 本当ですね😢余白のむらさんのコメントを拝見して、壱馬さんに別の素敵な相手が見つかるスピンオフがあっても良いかも…！と思いました☺️最後まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0ec074764d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：熊猫 | 作成日時：2021年9月9日 17時
