残り香りが心地良くて ページ16
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「……爆食なのは変わりないのな」
吉良の言葉は、大画面テレビが設置されてある共同スペースにて、突然告げられた。
先に吉良が訪れテレビを試聴していた共同スペースに、夕食を食べ終えたばかりだというのにカップアイスとアイス用スプーンを手にした美琴が現れたが、当時は何も発言することはなかった吉良。
しかし、あと少しで美琴がアイスが完食し終えるというところで、漸く吉良は言葉を口にしたのだった。
自分に言葉が向けられていることに気づいた美琴は、一瞬食事の手を止めたものの、またすぐに再開させて「今日の肉じゃが美味かったよな」と若干会話がすれ違っているような話題を提供した。すると吉良は、特に言い返すこともなく「そうだな」と視線はテレビに向けたまま、適当に返した。
「吉良は、食べないのか？」
フェイスタオルを肩にかけ、ジャージの半袖ハーフパンツ姿の吉良が入浴直後であることを察した美琴は、自分と同様にアイスを食べることを勧める。すると吉良はテレビから視線を逸らし、口調も名前の呼び方さえもすっかり変わった美琴をじっと見つめる。
返事のない彼に何を思ったのか、美琴は「これは俺のだからあげないぞ？」と言って残りのアイス全てを一息に口に放り込む。
「欲しいなんて一言も言ってねぇだろうが」
「欲しそうに見てたからつい、そうなのかと思ったよ」
「へいへい、好きなように言ってろ」
中身を食べ終え、今や空箱となったアイスカップのフタを閉じる美琴。すると、今まで見えていなかったアイスパッケージの全貌が明らかになる。そして、テーブルを挟んだ反対側の、斜め前から彼の行動を見ていた吉良は、パッケージを見た瞬間に目を瞠る。
吉良の視線の先＿＿彼が先ほどまで食べていたアイスのフタにはなんと、黒のマジックペンで『ちょーきんうん』と書かれてあったのだ。
「……それ、監督のかよ」
「この種類ならまだ食堂の冷凍庫に入ってたし、」
＿＿一つくらい食べてもバレないだろ。
呆気らかんと答える美琴に吉良は「性悪なところも変わんねぇのな」と呆れたように告げ、テレビに視線を戻した。すると、
「あれ、西川さん？」
「ヒロトと一緒にいたんだな」
吉良と美琴で二人きりだった共同スペースに、
新たな声が追加されたのだった。
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またまた文字数制限のため
中途半端なところで次に続きます、、
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ロボッピ(プロフ) - 続きがすごく気になります。更新頑張ってください (6月30日 18時) (
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作成日時：2020年10月4日 3時
