わたしが選ばれた理由、それは４【オリオンの刻印】 (ページ15)

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火照ったガーベラを送るページ15

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「でも俺も、たまには木野さんの助けになりたいって思うよ」

唐突に告げられた美琴の言葉。
木野は、不意を突かれ「え…？」と彼を見つめる。

もちろん、近くにいた大谷にも彼らの会話は耳に届いているわけで、髪を乾かす手を止め、二人に注目していた。
一方の神門は、彼らの会話は聞こえていなかったものの、手の止まった大谷に気づいて「どうかしました…？」と小さく尋ねる。すると大谷は表情を綻ばせ、神門に小さく耳打ちをする。

「美琴くんと秋ちゃんが、いい雰囲気みたい！」
「いい雰囲気……？」

どういった意味で大谷は『いい雰囲気』を使っているのか、上手く理解ができない神門は首を傾げる。すると大谷は「美琴くんが、助けになりたいって秋ちゃんに言ってたの！」と若干興奮した様子で説明を加える。
「え！？」思いがけない状況に、神門は大きな声を発してしまうが、何やらまだ話の続いている美琴と木野には聞こえていないようだった。

「やっぱり美琴くんは意図せずモテるタイプの人か～！」
「そう、なんですかね……？」

楽しそうに話す大谷に、神門は困惑した表情で美琴を見つめる。

マイペースな性格で、並み外れた食欲を持っている彼。しかし気遣いはでき、意地悪な面も持っている＿＿。確かに、人に好かれる魅力はあると思う……。
神門がそう思って注視していると、突然彼と視線が交わる。

「どうかした？」
「い、いえ……」

咄嗟に視線を逸らし、洗面台の鏡へと向き直った神門は電源の切ったドライヤーを洗面台の端に置くと、湿り気のなくなった金色の綺麗な髪をコームで梳かし始める。すると、神門よりも先にドライヤーの風を髪に当て終えていた大谷は、どこか慌てた様子の神門を横目に「クスッ」と笑みを浮かべる。

「……ちょっと驚いただけです」

神門は後付けのように彼女に言い訳をすると「はーい！」と言葉では理解を示すが、ニヤニヤと浮ついた表情を見せる大谷。

これ以上返したところで、余計必死そうに見えてしまう。
そう考えた神門は黙々と、使い終えたドライヤーのコードをまとめたのだった。

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文字数と他のお話のことを配慮して、中途半端ですがマネージャー組とのお話はここまで。

秋ちゃんと美琴くんの行方ですが、このお話のタイトルを調べていただいたら、どういった関係であるのか、ある程度理解してもらえるかなって。(他力本願)

ヒントは色とお花です。色は赤ではないです。

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