姉愛［297］｡いつもの｡ ページ47
颯輔side
｢いやぁ。絶対死んだなって思ったんだけどまさか生きてるとはねー。自分でも驚いた｣
項に右手のひらを当ててへんにゃり笑う。
鳩が豆鉄砲をくらったみたいに硬直するA嬢とチビ助と治嗣の三人。なになに皆で新喜劇始めちゃった？ 俺が二週間抜けてる隙にやっちゃた系？
｢なんか超必を使ったら代償として俺の存在が消えるんだと思ってたんだけど、それ一時的にだけだったみたいで。昨日の夜自分の部屋で目ェ覚めたばっかなの。あ、ちなみに俺無個性になったからヨロ｣
言って、軽い心持ちで三人の顔を見渡す。
最後にA嬢と目を合わせた。
A嬢の瞳に淡い雫が張る。
それは案外早くにぶわわっと決壊した。
チビ助と一緒に俯きつつ飛び込んでくる。
…ごめんね。遅くなって。
ちゃんと受け止めるから。
俺の胸で思う存分泣いっ、
｢｢っらァ!!｣｣
｢ぐふぇなんでぇ！？｣
まさかの腹パンが来た件について。
｢ゲホッ…い、痛い、割と本気で入った…ぅえ｣
腹を抱えてうずくまる。一切手加減無しで激強英才姉弟の拳を貰ったのだから当然だと思います。どうして病院で負傷をしなければならないのか。
わざとらしく咳き込んで二人を見上げた。
その顔を見たら、とてもへらついた笑顔は浮かべられなかった。
｢……馬鹿っ、馬鹿颯輔…｣
｢…いっそ死んでこい｣
A嬢ありがとうチビ助どうした！？
でもまぁ、暴言を吐きながらも俺のために泣いてくれているってことは喜んでいいことなんだよね。
｢ごめんね。でもまたこうやって会えて嬉しいよ｣
いつの間にか背後に立っていた仏頂面の治嗣にもはにかんで見せる。何故かつむじに親指を押し当てられた。
ん？ あれ？
｢あの、治嗣くん？ 痛いんだけど？｣
｢迷惑かけまくりやがってこのうんこ野郎が…｣
｢いや、あの、俺昨日の夜に｣
｢どんだけの人間がテメェを夜な夜な探し続けて寝不足になったと思ってんだコラカスボケ！ 死ね！｣
｢あだだだだほんとに死ぬって!!｣
尻餅をついてそれでもあがく。
にゅるりと首に巻き付いた筋肉質な右腕。それは紛れもなく治嗣のモノで、それは紛れもなく俺の首を絞めあげるべく現れた凶器である。顔から血の気が引いていく。
｢オラ死ねぇぇぇ｣
｢の、喉がっう、息がぁ｣
｢馬鹿ぁ！ ばか颯輔ぇっ…｣
｢ぐっA嬢、ちょ、胸が｣
｢西宮ァァァァ｣
｢違う待ってチビ助待って｣
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みるくてぃ(プロフ) - 電車で完結まで見たのですが、涙が止まりませんでした。本当に大好きな作品です！また読み返そうと思います！ (2021年6月29日 12時) (
レス) id: 850a94406b (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - とても面白かったです！でも爆豪のヒーロー名は爆心地かと、 (2019年5月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわわたあめ♪(プロフ) - 涙腺崩壊…ほんとにやばい、面白すぎ！完結おめでとうございます！ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
Sena - 完結おめでとうございます！感動しましたー！姉弟愛が凄くよかったです。 (2018年5月23日 15時) (レス) id: dfb791a807 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2018年5月20日 16時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よる。 | 作成日時：2017年10月20日 19時
