姉愛［254］｡仰天目的｡ ページ4
焦凍side
｢──！ A姉に危険が及んでる！｣
｢はぁ？｣
リンッと嫌な予鈴がした。それが何を知らせるものなのか俺でなければ分かるまい。俺だからこそ分かるその音だ。これはA姉に危険が迫った時だけ感じる直感。
偶然でも何でもない。本能だ。
が、後ろの爆豪は不審そうに俺を睨む。
｢何言ってんだ。この状況に毒されてイカれたか｣
｢口悪いな、ちげぇよ。嫌な予感がする。こう感じる時は決まってA姉に何かが迫ってるんだ｣
｢……そう言う個性でもねぇだろテメェ｣
｢いや、間違いない。急がねぇと｣
爆豪を置いて走り出した。
背中の円場が重い。足が運びにくい。
しかしそんなのは二の次。
A姉は、俺が守るんだ。
｢おい待てや半分野郎！ がむしゃらに突っ走ってAさんが見つかるとでも思ってんのか！！｣
｢見つかる。見つける。俺はA姉の弟だ｣
｢どう言う根拠だサラっと自慢してんのかアァ！？｣
｢何でそうなる、俺はっ───｣
｢美麗な肉面んんんん！｣
咄嗟に後方へ飛び退いた。
｢っんだぁ！？｣
爆豪が目を点に声を荒らげる。
突如、俺達二人の間に飛んで来たのはナイフのようでそうでない、まるで刃物を実らせた樹林のようなそれだった。
それを生やしているのは、黒い、悪趣味な野郎。
そして、それと対峙している。
｢焦凍！ 勝己！ 無事だったんだね…、背中にいるのはB組の円場だよね、大丈夫なの？｣
若干焦りを滲ませ声を発す、A姉。
｢大丈夫！ コイツは気絶してるだけだから！｣
俺も大きな声でしっかり伝える。
と、ふっと眉を落とした。
安心した時の顔だ。
｢君達も、肉面くれるの？｣
｢あぁ！？ 誰がやるかカス！｣
｢勝己落ち着いて、離れといてっ｣
言いつつ、炎を噴射して舞い上がるA姉。
｢爆豪。円場背負うのかわってくれないか｣
｢はぁ！？ んで俺が！｣
｢俺はA姉をサポートしなくちゃ｣
｢俺がするからテメェはどっか隠れてろ！｣
｢…A姉は俺の姉さんだ。俺が守る｣
｢いや俺がまも｣
『生徒のかっちゃん!! かっちゃんはなるべく戦闘を避けて!! 単独では動かないこと！ わかった！？ かっちゃん!!』
………。
｢爆豪、お前狙われてるってよ｣
｢守られる側かよふざけんな!!｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1743人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくてぃ(プロフ) - 電車で完結まで見たのですが、涙が止まりませんでした。本当に大好きな作品です！また読み返そうと思います！ (2021年6月29日 12時) (
レス) id: 850a94406b (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - とても面白かったです！でも爆豪のヒーロー名は爆心地かと、 (2019年5月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわわたあめ♪(プロフ) - 涙腺崩壊…ほんとにやばい、面白すぎ！完結おめでとうございます！ (2018年7月23日 17時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
Sena - 完結おめでとうございます！感動しましたー！姉弟愛が凄くよかったです。 (2018年5月23日 15時) (レス) id: dfb791a807 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2018年5月20日 16時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よる。 | 作成日時：2017年10月20日 19時
