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「Aちゃん！円堂くんと入れ違いになっちゃっ、た…？……ど、どうかした？顔真っ青よ……」
『大丈夫ですよ、あっ、ドリンクですよね。わたし行きます。』
「えっ？お、お願い…？」
響き渡る悲鳴。それにはっ、と我に返る。
上の空だった自分に心の中でファイアトルネードを打ち込み、悲鳴の声の主を元へ行く。
そこには天井からボルトが落ちてきたという。
それにぞわり、と嫌な予感がして、当たりを見渡すと鬼道さんがいた。
そして、試合開始の時刻が迫っている今でも。わたしたちは罠を発見できないでいた。
選手入場。順調に進み、試合開始のキックオフ。
『っ！皆さん…！？』
──同時に空中から降ってきたのは鉄骨。
重力に従い真っ直ぐに落ちてきたそれは。耳を塞ぎたいほどの大きな音を立てて、雷門中側のフィールドに突き刺さる。
脳裏によぎるのは、あの時のこと。
色のないその悲惨な風景が勝手に頭に流れ始めて、ひゅ、と呼吸が苦しくなる。
『…ぁ、……』
砂煙から現れたのは無傷の雷門中のメンバーだった。無意識に飛び出したベンチ、向かうのはあの人のところだった。
「A、」
『……ひゅー、…はっ、…っ』
ぎゅう、と勢いよく抱きついてきたAに豪炎寺は優しく腕を回す。だが、耳元で聴こえる不安定な呼吸に、豪炎寺はさっ、と血の気が引く。
「A…！」
『ひゅ、……っは……』
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続く (更新停止中)
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作者名：あい | 作成日時：2023年3月14日 19時
