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Aside
言っちゃいけないことを言ってしまったのかもしれないって、思ったときにはもう彼の姿はなくて。
彼の残した、「何それ。」って言葉と、悲しさと怒りを含んだ瞳が脳に焼き付いて離れない。
彼のそんな表情は初めてで、呆然という言葉がぴったりなくらい私は固まっていた。
「はぁ、、」
よりによって今日は土曜日。
最近は毎週朝も行くようにしてるから今日もこんなに早く目が覚めてしまった。
岡本さんに謝らなきゃ。
告白の返事をしてないうえに、ショックを受けすぎた私を見て、ごめんね、なんて言わせてしまった。
“昨日はすみませんでした。また改めてお話させてください。”
こんなメッセージを打ちながら、考えるのは二階堂くんのこと。
もういるのかな。
会いたい。けど、こわい。
もしかしたら、前みたいに、もう何もなかったかのようにしてくれるかもしれない。
そんな期待を、彼は簡単に跳ね返した。
「おはよう。」
「、、はよ。」
私の足音聞こえてたはずなのに。
今だって、一度もこっちを見てくれない。
いつもみたいに笑ってよ。
笑って、頭を撫でてよ。
「チョコ、ちゃんとご飯食べた？」
「うん。」
「、、そっか。」
だめだ、続かない。
泣きそう。
「あのさ、」
「ん？」
「もう、朝とか無理して来なくていいよ。夜も来れないなら来れないで、連絡とかいらない。」
「え、、」
「じゃあ。帰るから。」
どうしよう。
ほんとに、嫌われちゃったんだ。
離れていく二階堂くんを、ただ見つめることしかできない。
本当は、追いかけて、引き留めて、行かないでって言いたい。
好きだともう言ってしまいたい。
だけど、人間そう簡単には変われるはずもなく、そんな勇気は今の私にはない。
「チョコ〜っ、、うっ、、」
涙が溢れて止まらなくて、それをチョコが一生懸命舐めてくれた。
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作者名：ちーず | 作成日時：2019年11月21日 21時
