寂しい誤解 ページ9
Aside
2「久しぶり。」
あ「はい、、あ、どうぞ!」
玄関のドアを開けると、少し息を切らして、鼻が真っ赤になってる彼がいて、
それだけで、泣きそうになる。
あんなに会うことが怖かったのに、会えて嬉しい気持ちが溢れそう。
あ「あったかいお茶いれますね。」
2「ん、ありがとう。」
やっぱりどうしても気まずい空気が流れてて、次の言葉が見つからない。
向かい合って座って見たものの、お互い下を向いて沈黙が続く。
2「A。」
あ「っ!?/ / /」
突然じっと私の目を見て、低い声で名前を呼ぶ彼に、何も反応できない。
2「1週間くらい前、横浜いた?」
あ「え!?、、やっぱり、見られてたんですね。」
2「いや、見てはないんだけど、男の人がAの名前呼んでたのが聞こえて、もしかしたらって、、」
付き合い始めた日の一回以来、絶対に呼んでくれなかった名前をもう2回も言ってる彼に戸惑いが隠せない。
あ「、、そうだったんですか。いましたよ。二階堂くんのロケを見つけて、、」
2「あの人、、、、彼氏?」
あ「え?」
あの人って、、、拓真?
彼氏に見えたのか。なんかちょっと、ズキっとする。
この半年間、二階堂くんのことを忘れたくても忘れられなかったのに、
彼は私に彼氏ができたっておかしくないって思ったんだよね。
そりゃあ、私から振ったんだもんね、、
二階堂くんは、間違ってない、間違ってないけど、、
あ「そんなわけ、ないじゃないですか。」
2「え?」
あ「たしかに私が二階堂くんに別れを告げたけど、そんなにすぐ忘れられるわけ、、ない、、」
泣くな、泣くな。
だんだんと視界がボヤけて、彼の顔も見えなくなってくる。
必死に耐えてたのに、彼が優しく微笑んで頭をポンポンと撫でてくるから、
その振動で私の目から涙がこぼれた。
あ「、、ごめんなさい。」
さっそく、泣くなんて。半年前と何も変わってない。
全然強くなれてないじゃん。
頭から彼の手が離れたかと思うと、その手を今度は自分の口元に持っていき恥ずかしそうに笑ってる。
2「まじで、良かった。」
ほんとにホッとしたような声を出すから、さっきの寂しさも薄れてくる。
焦る声も、照れる顔も、安心したような言葉も、
全部初めてみる彼の姿ばかりで、
胸が高鳴って仕方ない。
こんなんで私、大丈夫かな。
2「俺の話、していい?」
探るように聞いてくる彼に、小さく頷いた。
162人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちーず | 作成日時:2018年3月6日 13時