もう負けません ページ22
Aside
一通り泣き終わり、今度は二階堂くんの優しい手に、眠気が襲ってきた。
2「寝るなよ?」
意識がほとんど無くなりかけたとこで耳元から低い声が響いて、慌てて顔を上げる。
あ「だ、大丈夫!」
2「今寝てたじゃん。」
あ「まだ寝てない!」
2「そんなに気持ちよかった?」
あ「っ/ / 」
最近たまに出る彼のSっ気にはどうしても勝てない。
2「図星だ(笑)」
そう言っていつものように笑いながら、頭をわしゃわしゃと撫でてくる。
2「また、しばらく会えないかも。」
あ「え?」
突然真剣な声でそんなことを言う彼。
2「5月からツアーが始まるんだけど、収録とか撮り溜めたりするから。」
あ「そっか、、」
去年も同じ時期だったよね。
私の気持ちが不安定だった頃にツアーが始まって、、
2「でも、ちゃんと連絡するし、電話もする。」
まっすぐに目を見て言ってくれるから、恥ずかしくなって笑みがこぼれる。
あ「意外とマメなんだね?」
2「、、嫌?」
ほら、こういうとこ。
嫌なんて言うはずないの分かってて、子犬のように聞いてくる。
確信犯。
あ「ううん、嬉しい!」
2「そ。」
この急に冷たくなる感じも。ほんと上手い。
これだから抜け出せなくなるんだよ。
あ「じゃあ、そろそろ帰るね。」
2「え、ああ。」
いつもは見送る側なのに、なんか不思議な気分。
2「いつもこんななの?」
あ「え?」
2「見送る側ってめっちゃ寂しいんだな。」
、、、、、、、っ / / / / /
何を言っちゃってんの、私をどうしたいんですか、そんな可愛い顔して、、、
2「明日仕事早い?」
あ「え、いや、別に。」
急にシフトチェンジされた会話に、返事が雑になる。
2「、、泊まる?」
とまる、トマル、止まる、
あ「泊まる!!!!!?」
2「るせっ、、」
あ「そ、れはさすがに、服とか何も...
2「俺の着ればいいじゃん。」
あ「ほら、一応女子なんで顔のものとか...
2「コンビニで買お。」
、、、降参。
あ「はい、、」
2「ん、行こう。」
嬉しそうにそう言うと、私の手を取って外に出ようとする。
あ「ちょちょちょ、何してるの!!!」
そんな、何?って顔でみないでよ、、
あ「こんなことして外出れないじゃん!変装もしてないのに!」
2「あぁ、そっか、ごめんつい。」
私より寂しそうな顔をするから、逆に笑顔になっちゃうよ。
あ「行こう!」
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作者名:ちーず | 作成日時:2018年3月6日 13時