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その少女、勉学 ページ7

事前に告知されていたのか、クラスの人たちは意外と温かく私を迎えてくれた。


B組の先生の指示に従って席につくと、隣には屈強な男の子が座っていた。


そう言えば、自己紹介をしていない気が。……まぁ良いのかな。




『よろしく、お願いします』


「あぁ」




ぺこりと頭を下げる。男の子はちらりと私を見て、それから再び前を向いた。


……白い耳。ふわふわしてるなぁ。


後で触らせてもらっても……。でも、私に触られたら嫌かな。




「なんだ」


『!……いえ、その。耳が、可愛らしい……と』


「……変なやつだな、お前」




見過ぎていたのか、男の子が私をじとっと見る。


それに言い訳するように答えると、男の子は一瞬呆けた顔をして笑った。……笑うと可愛い。


男の子は私を眺め、それから口を開く。




「俺はジャック。……よろしく」


『よろしく、お願いします……!』




男の子、もといジャックくんは「ん」と頷いて黒板を向く。


私も黒板を向いて、授業を受け始めた。








『……ジャックくん、次の授業は何……ですか』


「次は錬金術だ。……一緒に行くか」


『……いい、の?』




一時間目が終わると、皆が一斉に立ち上がり準備をし始める。


隣のジャックくんを見上げると、ジャックくんは私を見て首を傾げた。


私は頷いて、それから少し考える。


……私といるのを見られたら、迷惑じゃないかな。




『……あの、やっぱり私……一人で行きます。場所さえ、教えてもらえれば……』


「……何でだ?」




錬金術の教科書を準備しながら早口で言う。


ジャックくんが不思議そうな顔をして、首を傾げた。


私は床に視線を彷徨わせ、小さく口を開く。




『わ、私といると……変なこと、言われるかも……』


「……は?別に他人に何か言われてもどうってことねぇよ」


『……で、も……』




私が口籠ると、ジャックくんは頭を掻く。


呆れられた、かな。……でも、ジャックくんが何か言われたら嫌だし。


そう考えていると、不意に腕を引かれる感覚。それから、浮遊感。


ジャックくんは私をお姫様抱っこしていた。


驚いて声も出せない間に、私は教室の外に出ている。


私が止める間も無く、ジャックくんはずんずんと進んで行き。


気づけば、錬金術の授業をする場所にやって来ていた。




『……ありがとうございました』


「はぁ。……もし次も同じこと言ったらこうやって連れてくからな」


『そ、れは困ります……!』

その少女、逢着→←その少女、登校



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Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…!義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました!何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです!完結おめでとうございます! (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが?!!好きです!! (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - カリムくん優しすぎて私まで涙ちょちょぎれてましたうわぁぁん(T_T) (2020年11月25日 23時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年9月18日 16時

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