その少女、談論 ページ31
「……先に言っとくけど、拙者の君への好感度は低めだから」
『……知ってますよ。他の皆さんもそうでしたから』
男の人ーーイデアさんと言う名前らしいーーに部屋に案内され、出された椅子に座る。
イデアさんはオルトくんに何かを指示し、オルトくんは一度部屋を出た。
扉が閉まったのを確認して、イデアさんがそう漏らす。
「ま、拙者は君に危害とか加えるつもりはないけど。……何でそんなに監督生氏を目の敵にするの？」
『……目の敵？』
「……僕らから見ると、君は監督生氏の可愛さに嫉妬してわざと評判を下げる真似をしてるとしか思えないんだよね」
……可愛さに、嫉妬？嫉妬なんて、するはずがない。
だってあの子は、私と同じように醜いのに。
私はイデアさんが言っている意味が分からず、首を傾げる。
「……この学園には、監督生氏に助けてもらった人が沢山いるの。勿論、僕もそのうちの一人」
『だから皆、あの子を庇うんですか。……たったそれだけのことで、皆に。……羨ましい』
イデアさんの言葉にそう返すと、呆れたように私を見る。
少しの沈黙の後、再びイデアさんが口を開いた。
「だいたい、自分は顔を出さずに人の顔批判するのはダメだと思うんだよね。僕は」
『……どうして、ですか』
「それって、芸能人に対して匿名で批判する人たちと何も変わらないでしょ。……そりゃあ、芸能人にはアンチとかは付き物だけど。監督生氏はただの一般人だよ」
私に、仮面を取れということだろうか。
……そんなことをしたら、また皆に嫌われる。先生たちにまで嫌われたら、私はこの学園でどうやって過ごせばいいのだろう。
義母さまたちには、仮面を被って初めて人として認めてもらえた。……それまでは、犬のような扱いだったから。
もう床に落ちたご飯は、食べたくない。
『……私、は……ちゃんと自分が醜いって、理解して』
「それは君だけが知ってることでしょ。僕たちは君の顔を知らないから、君が言ってることが本当なのかが分からない」
『……っ』
「人と同じ土俵に立ってない人が、人を批判する権利なんてないんじゃないかな。……ってのが僕の意見」
だったら、私はどうすればいいの。
仮面を外して、あの子と同じくらい醜いっていうのを皆に言えばいいの？
そうしたら、皆私の言うことを信じてくれる？
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Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…！義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (
レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました！何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです！完結おめでとうございます！ (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが？！！好きです！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - カリムくん優しすぎて私まで涙ちょちょぎれてましたうわぁぁん(T_T) (2020年11月25日 23時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2020年9月18日 16時
