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その少女、物置 ページ19

「さて、では貴女の部屋を決めないといけませんね。……貴女が決めて良いですよ」




そう言ってクロウリーさんが廊下の扉を開ける。


左右に続く扉の前には、ネームプレートがかけられていた。


クロウリーさんの扉にはカラスのネームプレート。クルーウェルさんの扉にはダルメシアン、トレインさんの扉にはネコ。


サムさんの扉にはカエルで、バルガスさんの扉には……?複数の動物が合わさった絵が。


これがかけられていない部屋が、空いている部屋ということで良いのだろう。


私はいくつかの部屋の扉を開け、中を見て、閉めるを繰り返し。




『……ここにします』




選んだのは、他の部屋より二回りほど狭い部屋だった。


私がそこを指差した瞬間、先生たちにざわめきが走る。


クロウリーさんは数秒固まった後、クルーウェルさんたちにつつかれて私の前に来た。




「……Aさん、そこは物置なんです。別の場所に……」


『ここで良いです』


「えぇ……?」




困惑しているクロウリーさんに頭を下げると、クロウリーさんは「まぁ、本人が言うなら」と了承してくれた。


必要以上に大きな部屋をもらっても、使い道がないし。


それに、こっちの方が広いけど前の部屋のようで落ち着くから。


私がそう言うと、クロウリーさんはため息を一つ落とした。




「では、必要なものは次の休みに。……クルーウェル先生と……バルガス先生をつけましょうか。荷物持ちには最適ですし」




次の休みは五日後。その日に私は二人の先生と私服と家具を買いに行くことになった。




「ですが、それまで女の子を床で寝かせると言うのは……」


『あ、全然大丈夫です!……床で寝るのは、慣れてますし。それに、寒いのも!』


「……あぁ、貴女は本当に……」




そう考え出したクロウリーさんに両手を振る。誰かが私のことで悩むのは嫌だ。


家ではいつも床で寝ていたし、毛布なんてなかったから新聞紙で寝てた。だから寒いのなんて慣れてる。


私がそう笑うと、クロウリーさんが私の頭をぎゅっと抱きしめた。……クロウリーさん、震えてる。




「……とにかく、寮にある毛布を全部そちらに持っていきます。待っていてくださいね」




私から離れたクロウリーさんは先生たちに指示を出してどこかへ行ってしまった。それに続く先生たち。


残ったのは私と、サムさんだけ。


サムさんは私の服装を見て、それから小さく詠唱する。私の身体は、綺麗な寝巻きに包まれた。

その少女、悪夢→←その少女、寝泊



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Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…!義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました!何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです!完結おめでとうございます! (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが?!!好きです!! (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - カリムくん優しすぎて私まで涙ちょちょぎれてましたうわぁぁん(T_T) (2020年11月25日 23時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年9月18日 16時

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