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その少女、家族 ページ2

真っ暗で、身体を伸ばすこともできない狭い部屋をゆっくりと出た。


廊下で身体を伸ばすと、あちこちからパキパキという音が。


小さな頃は何も感じなかったけど、最近は身体の節々が悲鳴を上げているように思う。


……まぁ、天井も低くて存分に身体も伸ばせない部屋で生活しているから。当たり前だとは思うのだけど。


でも、そういうものなのでしょ?醜い子は満足な部屋も、食事も。全てが与えられないと聞いた。だから私は、まだマシな方。




『……おはようございます、義母さま。義姉さま』




居間へ行くと、義母さまたちはもう起きていた。いつもは私が起こしに行くのだけど、何かあったのかしら。


義母さまたちは居間に入ってきた私に気付かず、何やら一枚の黒い手紙を覗き込んでいる。





『……あの、義母さま』


「っ、いきなり声をかけないで頂戴。アンタのせいで寿命が縮んだらどうするつもり?」


『……申し訳ありません。その、そちらの手紙は?』




私がそう尋ねると、上の義姉さまが私の頬を叩く。ぱちんと乾いた音がした。


……かなり強く叩かれたから、真っ赤になっているかもなぁ。




「アンタには関係のないものよ。ドーリーにナイトレイブンカレッジから手紙が来ただけ。早く朝ごはんを作りなさい」


『……ナイトレイブンカレッジ、から。凄いですね』




確か、ナイトレイブンカレッジは名門魔法師養成学校だと聞いたことがある。


そんなところから手紙が来るなんて。下の義姉さまは凄いなぁ。


そんな私を睨みながら、義姉さまは忌々しそうに吐き捨てる。




「アンタに褒められても嬉しくないわ。さっさと朝ごはんを作りなさいよ」


『かしこまりました』




これ以上何かを言うのは得策ではない、と私はすぐにキッチンへ向かう。


こういった家事も、醜いものの仕事だ。そのあと、義姉さまの荷物を纏める。


そして一週間後、家には黒い馬車が義姉さまを迎えに来ていた。




「行ってくるわね、お姉さま。お母さま」


「えぇ、頑張ってくるのよ。ドーリー」


『いってらっしゃいませ、義姉さま』




義姉さまが馬車に乗り込もうとすると、馬が大きく首を振る。


それを私が疑問に思う前に、義姉さまは馬車に乗り込んで旅立って行った。








「良いこと、ドーリー。貴女はアイツのフリをしなさい。……そこで良い男を見つけてくるのよ」


「はい、お母様。絶対に良い男を捕まえて見せるわ」


「私にも紹介するのよ、ドーリー」

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Akal(プロフ) - まだ途中までしか読んでないけど…マジで夢主ちゃんとキャラ達和解してほしい…!義家族許せないわ、これは。夢主ちゃん大体悪くないのに… (2023年3月29日 16時) (レス) @page25 id: 5bb5794148 (このIDを非表示/違反報告)
森。(プロフ) - 何度も読み返したくなり戻って来ました!何度読んでも涙が出てきて…これ程までハマった作品は初めてです!完結おめでとうございます! (2022年11月2日 7時) (レス) @page1 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
ロナ - イラつきます。 (2021年10月30日 13時) (レス) @page37 id: db59ef0184 (このIDを非表示/違反報告)
こうめ - えっ、小説で初めてガチ泣きしたんだが?!!好きです!! (2021年4月14日 0時) (レス) id: cfffb34543 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - カリムくん優しすぎて私まで涙ちょちょぎれてましたうわぁぁん(T_T) (2020年11月25日 23時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年9月18日 16時

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