243.御報告。 ページ33
櫻井さんが「新幹線乗り遅れる！」って慌てて帰って、ミワちゃんが着替えに行って
レジで相葉くんと2人になった。
「あの...さぁ、相葉くん」
「んー？」
相葉くんは、連絡ノートを見てる。
つむじ、つつきたくなるけど我慢。
「御報告が...」
「ん？新しい予約でも入った？」
「あー...仕事の報告じゃなくて、ね」
「え？」
俯いてた彼に上目遣いに見上げられて、思わずゴクンと生唾を飲んでしまった。
「アハッ、何？そんなに言うの緊張するようなコトなの？」
「あ...のね、私...ね、この度、実は...」
「うん」
「二宮くん...と...ですねぇ...」
「引っ付いた！？」
「ちょっ！声、でっかい！！」
慌てて相葉くんの腕をバシバシ叩くと、彼は「んっ」って唇を口の中にしまい込んだ。
「まぁ...そーゆーコトになりまして...」
「フフッ」
「オシャベリカズナリに言われる前に、自分で言ってしまおうと思って...」
「うん。フフフッ」
「あるコト無いコト、言いかねないからっ！あの人っ！」
「うんうん。ウハハッ！」
堪えきれないって感じで、彼が笑う。
「良かったねぇ、Aちゃん」
「良かった...のかな」
「面倒臭いけど、好きな人には超優しいから！ニノ！」
「面倒臭い...のは、何かもう分かる」
超優しいのも...何か分かるけど、それは言わない。
「あっ...相葉くんこそ、どうなの？」
「どうって？」
少し離れた所で、着替えが終わってスタッフと談笑してるミワちゃんをチラッと見て、また相葉くんを見ると
「どうも無いよ？」って、微笑んだ。
「そうなの？」
「うん。仲良しだけどね」
「んっ？」
「ん？」
「ううん！何でも無い...。うん」
サラリとそんなコトを言っちゃう相葉くんに、何故か私が妙に照れる。
「あーあ、これからはニノんち突然行っちゃダメだねぇ」
「えっ！？何で？行ってあげてよ！」
「えー。だって、Aちゃんといたしてる最中だったら申し訳無いしー」
「いぃっ！？いたっ...さないよ！」
「ウッソ！いたさないの！？それはニノが可哀想だよー...」
何で相葉くんがショボンとするかなぁ。
「あ、エプロン違う！」
相葉くんが巻いたまんまだった厨房用エプロンを外して「サロン、俺どこやったっけ！？」ってキョロキョロしてたら
「相葉さん、パントリーにありましたよ！」
ミワちゃんが、彼のサロンを持って走って来た。
「あー！ありがと！」
相葉くんのそれだけの言葉で、ミワちゃんは嬉しそうに笑った。
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年10月23日 16時
