23.BURN。 ページ23
「お客様、全然怒ってなかったよー。悪いのはあの酔っ払いって皆見てたしね」
パントリーに汚れたダスターを抱えた静香さんが入って来て、私に笑い掛けてくれた。
「本当ですか...？」
「うん。それより、Aちゃんの事心配してたけど...あの女の子は、腕大丈夫か？って」
「え...？腕...」
言われて初めて、自分の腕がジンジンしてる事に気付いた。
袖のボタンを外して、シャツを捲り上げてみる。
「えっ！？ちょっとAちゃん、火傷...！」
「お前っ！まさか石、触ったのか！？」
私の腕の内側は真っ赤になってて、それに気付くとどんどんジンジンが強くなる。
「絶対に落としたらいけないと思って...」
「バッ...カ！何考えてんだよ！」
櫻井さんが、火傷してない方の左腕を引っ張り私を水道に連れて行って
中途半端だった右腕の袖をクルクルと肘の上まで捲り上げてくれて
手首を掴んで蛇口の下に腕を出し、水をジャーッと掛けた。
熱を持ってた患部に、冷たい水が気持ち良い。
でも、何か櫻井さんに掴まれてる手首が熱くなってきた。
そんなトコ火傷...してないのに。
「静香、ダスターに氷包んで持って来て」
「うん！分かった」
櫻井さんの右手で、右手を握られてるから
肩に櫻井さんの胸が当たってて
喋るとその振動が伝わって来る。
「Aちゃん、大丈夫？はい、氷」
静香さんが櫻井さんに氷が包まれたダスターを渡す。
「大丈夫です、静香さん。ありがとうございます...」
「大丈夫なワケあるか。今から病院行くぞ」
「えっ！？...大丈夫ですから、本当に！」
こんな忙しいのに！
抜けるなんて、出来ない！
「痕が残ったらどうすんだよ。女の子だろ？」
低くて静かな声で、諭すように櫻井さんが言う。
胸がギュウ...ってなる。
「そうだよ、Aちゃん。もうすぐラストオーダーだし、お店の事は心配しなくて良いから」
「静香、後は任せて良い？」
「うん、大丈夫」
「じゃ俺、A病院連れてくわ。ディナーまでには戻って来るから」
うん、って頷くと静香さんはホールに出て行った。
「Aは着替えて、店の前で待ってて」
「...え...」
「ちゃんと氷で冷やしとけよ？」
「あ...」
私が何も言う隙を与えないかのように、櫻井さんは厨房の料理長に「ちょっと出て来ます」って声を掛けて
男子ロッカールームに入る。
私も腕に氷を当てながら、女子ロッカールームに入って
火傷を気にしながら、服を着替えた。
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まめなり(プロフ) - 図々しいかもしれませんが続編を検討していただけると何よりも嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2017年7月18日 10時) (
レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - 最後Nくんは実家に帰ったのかなぁとかAくんとあの子はどうなったのかなぁとかOくんはあの子とどうなったのかなぁとかSくん結婚しないかなぁとかMくんもあの子とどうなったのかなぁとか。そして何より1番気になるのは主人公のカフェはどうなったのかなぁと。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - が好きです。ロマドーの雰囲気もそこで暮らしている人々も。(個人的には最後結ばれるのが担当様だったのも嬉しかったです笑) 今まで色々reiさんのお話を読ませて貰っていましたが、このロマドーも相変わらず素敵なお話だと思いました。そこで続編のお願いを…笑。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - こんにちは！どこに書けばいいのかわからなかったのでココに。私はロマドーの2章が始まったくらいで受験勉強のために占ツクから離れた者です。受験も終わり久々に占ツクを訪ねてみるとロマドーが完結していて思わず読んでしまいました。率直に言ってホントにロマドー (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いきなりすいません！君の名は。って話ありますね笑 (2016年10月27日 14時) (レス) id: 55ecfc4463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年1月27日 19時
