1.ナイスタイミング。 ページ1
「えっと、じゃあ明日からシフト入って貰える？」
ペンを指の上で回しながら机に広げられてる私の履歴書を見てた、目の前に座ってるその人は
私が「え？」と応えた瞬間、同じように「え？」と言って顔を上げた。
これまでの経験上、バイト面接ってのは『週に何回入れる？』とか『今まで同じ業種のバイト経験ある？』とか、そーゆーの色々と訊かれるってのが私の中での常識なんですが...
履歴書を渡した後にされた質問は
「君は一人暮らし？」
だけ。
この春から一人暮らしを始めた私は、「そうです」って返事をして
次に彼から出て来た台詞が「明日からシフト入って貰える？」だったワケで。
こんなのハジメテ。何ごと。
私の常識の中にある質問、何も訊かれてない。
あ...もしかしてこれも含めて面接？
明日から、って言われてもお前は対応できるのかー！？的な。
「もちろんっ！入れます！どの時間帯でもガンガン入れますっ！」
「そ？じゃ、明日からよろしくー」
「はいっ！よろしくお願いします！...あ、でも...」
「ん？」
彼は指で眼鏡をクイっと上げて、私を見た。
眼鏡の奥にある綺麗な二重の大きな目と、目が合う。
「ホントに...良いんですか...？」
私がこの店に入って来て彼の前に座り履歴書出してから、まだ3分位しか経ってないんですけど。
ウルトラマンだって活動限界、来てませんけど。
「君、この三月で短大卒業してるよね」
履歴書を眺めながら、彼が尋ねる。
「はい」
「だけど就職はしてない。なのに一人暮らし。フリーターになるって事なんだよね？」
「はい、そうですけど...」
その人のふっくらした唇の端が、キュっと上がる。
「生活かかってる子がすぐ辞めるとは思えないってのと、第一印象が明るくて清潔感ある。これ飲食店では大事なコトね」
彼は「俺、人を見る目あるからしょーもない面接なんて必要無いんだよ」って、眉を下げて人懐っこく笑った。
さっきまでのキリっとした表情と、全然印象の違う笑顔。
「それにちょうどホールに女の子欲しかったんだよね。ナイスタイミング」
「ナイスタイミング、でしたか」
「フフッ、超ナイス」
彼は傍らに置いてた分厚い手帳に重ねてある名刺入れの中から一枚抜き出し、私に差し出す。
「そう言えば自己紹介忘れてたね。俺、この店のマネージャーの櫻井翔です。よろしく」
「あっ！私は天野Aです！」
「うん、知ってる。これ見た」
櫻井さんは私の履歴書をこっちに見せて、笑った。
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まめなり(プロフ) - 図々しいかもしれませんが続編を検討していただけると何よりも嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2017年7月18日 10時) (
レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - 最後Nくんは実家に帰ったのかなぁとかAくんとあの子はどうなったのかなぁとかOくんはあの子とどうなったのかなぁとかSくん結婚しないかなぁとかMくんもあの子とどうなったのかなぁとか。そして何より1番気になるのは主人公のカフェはどうなったのかなぁと。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - が好きです。ロマドーの雰囲気もそこで暮らしている人々も。(個人的には最後結ばれるのが担当様だったのも嬉しかったです笑) 今まで色々reiさんのお話を読ませて貰っていましたが、このロマドーも相変わらず素敵なお話だと思いました。そこで続編のお願いを…笑。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - こんにちは！どこに書けばいいのかわからなかったのでココに。私はロマドーの2章が始まったくらいで受験勉強のために占ツクから離れた者です。受験も終わり久々に占ツクを訪ねてみるとロマドーが完結していて思わず読んでしまいました。率直に言ってホントにロマドー (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いきなりすいません！君の名は。って話ありますね笑 (2016年10月27日 14時) (レス) id: 55ecfc4463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年1月27日 19時
