額に傷を持つ2人~炎のゴブレット<転･結>~《ハリーポッター》 (ページ46)

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シリウス side

Aの服を少し解くとやはり首まで傷が到達してる｡しかも傷は深いし出血が止まらない｡必死にベストで傷口を圧迫するがベストが赤くなるだけ

悲鳴と叫び声は絶え間なく響き渡る

シ｢A､圧迫し続けるからな｡痛くても許してくれ＿＿＿ポンフリーはどこだ！誰か早く呼んでくれ！｣

額の冷や汗を拭ってずっと傷を圧迫し続ける

ダ｢シリウス､Aを任せても大丈夫かね？ハリーが＿＿＿｣

シ｢あぁもちろんだ｣

周りで私達を取り囲むように人が集まってきた｡その周りにまでAの血は到達してきている

『シ……リ…ウス…シリウス』

シ｢どうした？A､痛いか？｣

『肺に___血が入り込んで＿息が詰まりそう』

彼女は掠れるような声で口角を上げたまま小さく呟いた

シ｢血が止まらない､A聞こえるか？絶対に目を閉じるな｣

闇の魔術のせいなのか出血がどんなに圧迫しても止まらない｡ハリーの泣き叫ぶ声さえ私には聞こえなくなってくる

隣でAとセドリックの惨状を見て大臣は声をあげていた｡ハリーは泣きながらAとセドリックに手を伸ばしていた

ハ｢A!ごめん､守れなくてごめん｣

彼女は微笑んでいた｡そしてハリーはムーディに連れていかれた｡私の手はもう血だらけになっていた｡腕まくりをしたシャツさえもだ

『シ……リウス｡ごめん＿＿ごめんなさい｡無茶したか＿ら』

シ｢A､良いんだ＿＿この傷を治すから｡だからだから＿＿＿どうか目を閉じないでくれ｣

微かに息が途切れ途切れになるA｡体が冷たくなるのがわかる

シ｢まだか！？マダム･ポンフリーは!もうそろそろ＿＿＿｣

ポン｢ここにいます！さぁ退いて｣

人集まりを､掻き分けて癒者であるポンフリーがやってきた

ポン｢まぁ……なんてこと!?これは……｣

シ｢良いから！助けてくれ｡血が止まらないんだ!きっと闇の魔術に当たったんだ｣

ポンフリーも生きていることが信じられないと言う顔をしながら私に言葉をかけた

ポン｢A､聞こえますか？ちゃんと目を開けるのですよ＿＿＿ブラックさんも手伝ってください｡これは大変ですよ…傷が頸動脈まで達してる｣

私は大きく頷いた

シ｢A!目を閉じるな｡すぐに治すから､お願いだから目を閉じないでくれ｣

彼女の口は密かに動いた､まるで夢見心地ような顔をしている

『心地が……いいの｡まるで寝てしまいそうな＿＿＿』

彼女は私の服を弱い力でギュッと握った