正午の木漏れ日は彼女を見守る�察攬纏Χ擬次�

246時間目 ページ8

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｢学秀に引き抜かれるぶん、しっかり働くわ。｣

｢浅野さん、お菓子作りもできるんだね…。｣

｢ホントになんでも出来るな…。｣



モンブランクリームの仕込みを手際よくこなしていく秀華に若干引き気味の原と村松。成績優秀、語学堪能、おまけに武道の心得もあって料理もできる。才色兼備過ぎて気持ち悪い。

山の上とはいえ、菅谷作のポスターや岡島撮影の食品写真、狭間によるメニュー解説文に加えて三村作の特設ホームページ。十分な集客要素を持っているからか、客足はゼロではない。

まだまだこれから、という時に外が少し騒がしくなった。



｢あー!!修学旅行の高校生!!｣

｢あれれ〜？また女子でも拉致るつもり？｣



杉野とカルマの言葉に、秀華も手を止めて窓から外の席を覗けば見覚えのある顔。修学旅行で自分たちを誘拐した高校生たちだ。



｢あら、こんな所まで何しに来たのかしら。｣

｢あ〜、あれが修学旅行の時の。｣

｢そうそう。｣

｢おめーが蹴り食らわしたってのはどいつよ。｣

｢確かあの小太りの彼よ。｣



呑気にそんなことを話していると、杉野がﾑｽｯとした顔でこちらへやってくる。



｢どんぐりつけ麺5人前!!｣

｢あいよ。｣

｢杉野君、接客は笑顔よ。｣

｢呑気だな、浅野さん…。｣

｢大丈夫よ、村松君のラーメン美味しいもの。｣



指で口角をｸｲｯと上げて、優しく笑って、杉野にも笑顔を促す秀華。そんな彼女に毒気を抜かれて、ふぅ、と一息吐くと杉野は不良グループにお冷を持っていった。

もうすぐ茹で上がるぞ、という村松の声に、モンブランクリームの準備を終えた秀華はつけ麺のスープをよそって、お盆に乗せたどんぐりつけ麺を給仕係の杉野や茅野に渡す。皆、不良グループの反応が気になって、手を止めてそちらを見ている。



｢看板メニュー、どんぐりつけ麺です。｣

｢うおーうまそー!!｣

｢なーリュウキ君モンブランも頼んでいい!?｣

｢俺も魚のくんせい食ってみてー!!｣

｢はしゃぐな!! バカがバレんだろーが!!｣



予想以上のどんぐりつけ麺の出来栄えに興奮する不良グループ。多分もうバカだとバレている。

リュウキは恐る恐る食べたことの無いどんぐりつけ麺をﾁｭﾙﾝｯと一口すすった。



｢う…うめぇ!!｣



思わずその味に涙を流して口から言葉をこぼすリュウキ。その様子を見て、ほらね、なんて秀華は杉野に笑いかけた。





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