253時間目 ページ15
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「……浅野君、3分程席を外してくれないか。友達の4人と話がしたい。何、ちょっとした雑談さ。」
「…?」
自身の教育を否定された理事長だが、怒りを顕にすることもなくにこりと笑って言った。その理事長の提案に学秀は怪訝そうな顔をする。
「出ていろ浅野君。3分くらい別にいいよ。」
榊原のその言葉に、学秀は静かに理事長室から出た。理事長室の扉の横の壁にもたれかかって、静かに3分経過するのを待った。
暗雲がたちこめた空ではゴロゴロ…と音が鳴っている。そして、ドォン…ッと雷が落ちる音がして、理事長室の扉が開いた。
「蓮!瀬尾……!?」
「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す」
憎悪をまとってうわ言のようにそう呟く榊原達。そのあまりに異様な光景に、学秀は唖然とした。
「なっ……ッ何を……!?」
「ちょっと憎悪を煽ってあげただけだよ。」
動揺する学秀に、理事長が静かに告げる。その顔はもはや人ではなく、学秀には化け物のように歪んで見えた。
「君の言う縁なんて、二言三言囁くだけで崩壊する。私が教える強さとは…そんな脆いものでは無い。圧勝できない君の強さなど、もはや誰も信じないよ。
私が出るしかないようだね。期末テストは私が執り仕切る。強くなければ何の意味も価値もない。それを一から教えてあげよう。」
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「…学秀?」
学園祭の片付けを終えて、秀華はカルマ、渚、茅野と帰っていた。椚ヶ丘駅に着いたところで、秀華は駅のホームのベンチに座って、浮かない顔で俯く自身の兄の姿を見つけた。その様子に、彼女は何かただならぬものを感じた。
「ごめんなさい、先に帰るわ。」
「えっ、浅野さん!?」
呼び止める茅野には目もくれず、秀華は学秀の元へ走っていった。
「学秀!」
「秀華…。」
「どうしたの…?何かあったの…?」
「蓮達が、理事長に憎悪を煽られて…洗脳状態に…。…期末テストも理事長が執り仕切るそうだ。」
「……!!」
学秀は理事長室であったことの全てを話した。秀華の両腕にすがりついて、消え入りそうな声で言う学秀の姿に、秀華はかける言葉が見つからなかった。
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麗(プロフ) - 29ページ 頃について 殺せんせーに とかではないのでしょうか? (2021年5月22日 1時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - まなぴすさん» 優しいお言葉ありがとうございます!! 一人暮らしの予習だと思って頑張ってきます(料理以外てんでダメ)…( ˇωˇ ) (2021年3月4日 9時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
まなぴす(プロフ) - お母様のご様子が心配です…!無理せず自宅の方専念されてください!ずっと待ってますのでー!! (2021年3月4日 0時) (レス) id: 1ee9da6645 (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - カナナさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです(´˘`*)私もこの章大好きです!!秀華ちゃんが理事長の娘である以上、この章に力入れて書きたいと思いますので更新待っていてくださいね(^ ^) (2021年3月1日 1時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
カナナ - ざくろさんが書くお話が大好きです!!!!文の表現がとても上手で分かりやすいです。ここから私が好きな章なのでとても楽しみです。これからも無理のないよう頑張って下さい。応援してます。 (2021年3月1日 0時) (レス) id: 6af05f93ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2021年2月23日 23時