38時間目 ページ40
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「遅くなってすみません。この場所は君たちに任せて他の場所からしらみ潰しに探してたので。」
「…で、何その黒子みたいな顔隠しは。」
「暴力沙汰ですので。この顔が暴力教師と覚えられるのが怖いのです。」
地球を爆破しようとする超生物の言葉とは思えない小心者っぷりに思わず渚たちは呆れる。そんなことはお構い無しに自分たちの計画を邪魔された不良たちは殺せんせーに襲いかかる。しかし相手は超生物。かなうはずもなく、1撃で膝から崩れ落ちる。
「エリート校は先公まで特別製かよ…。てめーも肩書きで見下してんだろ?バカ高校と思って舐めやがって!!」
手を出した以上引っ込みのつかなくなったリュウキはナイフを取りだし、震えながらも殺せんせーを凄む。そのリュウキの言葉に、殺せんせーは頭を振りながら言う。
「エリートではありませんよ。確かに彼らは名門校の生徒ですが、学校内では落ちこぼれ呼ばわりされ、クラスの名前は差別の対象になっています。
ですが、彼らはそこで様々なことに実に前向きに取り組んでいます。君たちのように他人を水のそこに引っ張るようなマネはしません。
学校や肩書きなど関係ない。清流に棲もうが、ドブ川に棲もうが、前に泳げば魚は美しく育つのです。」
その言葉に神崎はハッ…とした。大事なのは肩書きではない。自分がどう生きたか。何を頑張ったか。彼女はそれに気づくことが出来たのだ。
「さて、私の生徒たちよ。彼らを手入れしてあげましょう。修学旅行の基礎知識を、体に教えてあげるのです。」
殺せんせーのその言葉を合図に、渚たちは修学旅行のしおりを大きく振りかぶって、不良たちの脳天目掛けて真っ逆さま。凶器がしおりとは思えない鈍い音がその場に響く。
「狙う相手…間違えた……かも……。」
リュウキはそう呟いてパタリと倒れた。
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「大丈夫ですか?浅野さん。」
「はい、何とか。」
殺せんせーに拘束を解いて貰い、立ち上がる秀華。大丈夫とは言ったものの、まだふらつきや痛みはある。すると神崎と茅野が左右から彼女を支えた。
「守ってくれてありがとう、浅野さん。」
「浅野さんかっこよかったよ!でも、もう無茶しないでね…。」
そういう2人に小さくごめんねと伝えて、彼女たちは歩き始めた。また少し、距離が縮まった。
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ざくろ(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!確かに2番ですね!!!素で間違えてました!!!ご指摘ありがとうございますm(_ _)m (2021年3月16日 6時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 最近読み始め、すごく楽しく読ませていただいています。ふと気になったのですが、出席番号は2番が正しいのでは?と思いました。まだ読んでる途中なので何か別の理由があって1番にしているのであればすみません。作品楽しく読ませていただいています! (2021年3月16日 4時) (レス) id: 2946381aea (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - プロテインさん» ありがとうございます(*^^*)暗殺教室はとても好きな作品なので更新頑張って行きたいです (2020年10月22日 22時) (レス) id: fa9a4862ad (このIDを非表示/違反報告)
プロテイン - 質が高くて、キャラとの絡ませ方がお上手で、続きがとても気になります( ≧Д≦) (2020年10月22日 19時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2020年10月19日 2時