19時間目 ページ21
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突然の出来事にクラス全員が驚愕する。とは言っても、カルマは面白そうに笑いながらその光景を見ていた。秀華は「まぁ…。」なんて言いながら口元に手を当てて、少しだけ頬を赤らめる。そんな間にも渚はイリーナに攻められ続け、力なくクタァ…と地面に座り込んだ。
「後で職員室にいらっしゃい。あんたが調べた奴の情報、聞いてみたいわ。」
艶っぽく話すイリーナは驚いている生徒の方に向かってこう続けた。
「その他も!!有力な情報持ってる子は話に来なさい!いいこと、してあげるわよ。女子には男だって貸してあげるし。技術も人脈も全てあるのがプロの仕事よ。ガキは外野で大人しく拝んでなさい。
あと、少しでも私の暗殺の邪魔したら…殺すわよ。」
殺すという言葉の重みに秀華は思わず身震いした。
イリーナ・イェラビッチ。職業、殺し屋。美貌に加え、10ヶ国語を操る対話能力でいかなる国のガードの固い
彼女は確かに場数も能力も、E組の生徒たちよりも優れた暗殺者であることに違いなかった。しかし、教師という名目で彼女は来ている。E組全員が感じた。この先生は、嫌いだと。
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教室でタブレットを操作するイリーナ。生徒たちは席には着いているものの、不満げなオーラを漂わせている。それに耐えかねた前原がついに口を開いた。
「なービッチねえさん、授業してくれよー。」
「そうだよビッチねえさん。」
「ここじゃ一応先生なんだろビッチねえさん。」
前原に続いて数人の生徒がイリーナにブーイングを入れる。カルマが適当に面白そうなところで省略したイリーナのあだ名だが、語呂の良さから浸透してしまった。その呼び名に思わず椅子からずり落ちそうになるイリーナ。
「あ────!!ビッチビッチうるさいわね!!まず正確な発音が違う!!あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!!正しいVの発音を教えたげるわ!!まず歯で下唇を軽く噛む!!ほら!!」
やっと授業をする気になったのか、ととりあえず皆下唇を噛む。まぁ、カルマと秀華はしていないが。
「…そう、そのまま1時間過ごしてれば静かでいいわ。」
あぁ、やっぱり、嫌な予感はしていた。そんなように片手で顔を覆いながら秀華はため息をついた。
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ざくろ(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!確かに2番ですね!!!素で間違えてました!!!ご指摘ありがとうございますm(_ _)m (2021年3月16日 6時) (レス) id: d0e69d8f04 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 最近読み始め、すごく楽しく読ませていただいています。ふと気になったのですが、出席番号は2番が正しいのでは?と思いました。まだ読んでる途中なので何か別の理由があって1番にしているのであればすみません。作品楽しく読ませていただいています! (2021年3月16日 4時) (レス) id: 2946381aea (このIDを非表示/違反報告)
ざくろ(プロフ) - プロテインさん» ありがとうございます(*^^*)暗殺教室はとても好きな作品なので更新頑張って行きたいです (2020年10月22日 22時) (レス) id: fa9a4862ad (このIDを非表示/違反報告)
プロテイン - 質が高くて、キャラとの絡ませ方がお上手で、続きがとても気になります( ≧Д≦) (2020年10月22日 19時) (レス) id: 038dc633ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ざくろ x他1人 | 作成日時:2020年10月19日 2時