検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:8,054 hit

セーラー戦士が3人 ページ3

「いや〜買ったねェ」

「なんか前より量増えてない?」




私の両手には5袋いっぱいに詰め込まれた駄菓子とラムネがある。
晶子も1袋持ってくれたので、合計6袋だ。
歩くたびに、ラムネ瓶がカチャカチャと音をたてるので、いつか割れてしまいそうで不安に駆られる。




「さて、乱歩さんの推理はどうかね」

「行きはなにもなかったものね」




2度目の商店街に、お互い顔を見合わせる。
乱歩さんは商店街に気をつけろと言っていたが、なにか事件でも起こるのだろうか。
私は少し身構えたが、晶子は相変わらず呑気そうにしているので、毒気を抜かれてしまった。
まあ乱歩さんも軽かったし大したことにはならないだろう。

と思っていた矢先だった。




「…なにしてるの?」

「Aさんに与謝野女医(せんせい)!奇遇ですね!」




給湯器の開口部に顔を押し付けている、見知った風貌の不審者が居ると思えば、案の定太宰くんであった。
何をしているのかと問えば、相変わらずのニコニコとした、読めない笑顔でこちらへと近づいて来る。
なんだか少しガス臭い。




「いやね、給湯器の排気瓦斯(ガス)で、ガスパン遊びが出来ると耳にしまして。吸い続けると死ねるのではと思ったのですが、目の前にピンクの象が見えるだけで」

「あらそう」

「捕まらない様に気をつける事だね」




とにかく面倒だと思った私たちは、太宰くんに構うことなく通りすぎる。
袋の手提げ部が手のひらにくい込んで痛い、はやく帰りたかった。
赤くなった手のひらを見て、持つ場所を変えていると、その袋を誰かが攫っていった。

セーラー戦士が4人→←セーラー戦士が2人



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くゎじゅ | 作成日時:2021年1月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。