セーラー戦士が3人 ページ3
「いや〜買ったねェ」
「なんか前より量増えてない?」
私の両手には5袋いっぱいに詰め込まれた駄菓子とラムネがある。
晶子も1袋持ってくれたので、合計6袋だ。
歩くたびに、ラムネ瓶がカチャカチャと音をたてるので、いつか割れてしまいそうで不安に駆られる。
「さて、乱歩さんの推理はどうかね」
「行きはなにもなかったものね」
2度目の商店街に、お互い顔を見合わせる。
乱歩さんは商店街に気をつけろと言っていたが、なにか事件でも起こるのだろうか。
私は少し身構えたが、晶子は相変わらず呑気そうにしているので、毒気を抜かれてしまった。
まあ乱歩さんも軽かったし大したことにはならないだろう。
と思っていた矢先だった。
「…なにしてるの?」
「Aさんに与謝野
給湯器の開口部に顔を押し付けている、見知った風貌の不審者が居ると思えば、案の定太宰くんであった。
何をしているのかと問えば、相変わらずのニコニコとした、読めない笑顔でこちらへと近づいて来る。
なんだか少しガス臭い。
「いやね、給湯器の排気
「あらそう」
「捕まらない様に気をつける事だね」
とにかく面倒だと思った私たちは、太宰くんに構うことなく通りすぎる。
袋の手提げ部が手のひらにくい込んで痛い、はやく帰りたかった。
赤くなった手のひらを見て、持つ場所を変えていると、その袋を誰かが攫っていった。

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作者名:くゎじゅ | 作成日時:2021年1月28日 21時