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セーラー戦士が17人 ページ17

はあはあと息を荒らげながら走る。
先の角を太宰が砂色の外套(コート)を翻して曲がり、和子もそれに続く。
その先には海に面した倉庫街がある。
その道の中心で、太宰は月を背に後ろを振り向いた。



「さて、この辺りかな」


「はあ、はあ…っ、あの…っ」


「苦しいですか?」




胸を抑えて屈む和子を、太宰は笑みを浮かべて見下ろす。
和子は太宰からの質問に当然だと答えるように、何度も頷いた。
肩で荒く息をする和子に、太宰は外套(コート)衣嚢(ポケット)から銃を取り出して銃口を向けた。



「それ、は…!」


「見覚えがあるようですね?…当然か。元は貴方の物だから」



銃が視界に入った瞬間、和子は腰回りや太ももを叩き、それの感触を確かめようとするがそこには何もなかった。
気付かぬ間に太宰が銃を盗んでいたからだ。



「Aさんが任務を受けた時点…否、その前から怪しいと思っていました。この家はポートマフィアと繋がっているから」


「ど…して、それを」


「さあ?…処で、あの家のお嬢さんの名は和子さん。父親とは頗る仲が良いそうで…貴方はどうですか?」


「…何が、云いたいんですか…」


「貴方は本当に和子さんですか?」

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作者名:くゎじゅ | 作成日時:2021年1月28日 21時

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