106話 伊黒と甘露寺 2 ページ10
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振り返ると蛇柱・伊黒小芭内さんが恐ろしい形相であたしを見ていた。
彼はあたしを蜜璃さんから引き剥がすと少し離れたところで説教をくらった。
「……甘露寺と馴れ馴れしくするな、今すぐ離れろ」
『いや抱きついてきたの蜜璃さんですけど!?』
「さっそく蜜璃さん、なんて気安く呼ぶな。下級の隊士の分際で!!」
「下級剣士じゃありません。
階級丙、炎柱・煉獄杏寿郎の継子です!むん!」
「むんじゃないんだよ、甘露寺との時間を邪魔するなじゃじゃ馬が。
俺はお前のようなやかましい人間が嫌いなんだ、調子に乗るなよ」
『ひえっ……』
恐ろしい形相でネチネチと文句を言われてしまった。
彼はあたしから離れると蜜璃さんに近づく。
「美味かったか甘露寺」
「うん!とっても美味しかったわ、また来ましょうね、伊黒さん」
「……ああ、喜んでもらえてよかった」
……蜜璃さんと話す時の彼は誰ですか?っていうくらい別人だ。
ん?もしかして蛇柱様って蜜璃さんのことが好きなの!!?
なるほどなるほど、これは邪魔しないでおこう。
と、思ったんだけど。
「なかなか鬼が正体を見せなくってね、苦肉の策でAちゃんに救助要請をお願いしたの」
『そうだったんですか。
柱二人がかりで見つからないなんてよっぽど隠れるのがうまい鬼ですね』
「それにしてもこんな所で会えて嬉しいわ。
安心してね、どんな鬼が出ても私がAちゃんを守るから!」
蜜璃さんが嬉しそうに話しかけてくるものだから伊黒さんに目の敵にされてしまっている。
まるで蛇に睨まれた蛙だ。
『ありがとうございます。でも蜜璃さんは女性なんですからたまには男性に頼ることも大事だと思います。
せっかく蛇柱様もいますし、あたしはお二人の援護に回ります』
あたしはなんとか伊黒さんの話に持っていくことに成功した。
すると彼は後ろからぼそりと呟いた。
「じゃじゃ馬の割に気が利くな。
だが甘露寺に不用意に近づこうものなら許さない」
ええ……どんだけ蜜璃さんのこと好きなんだよこの人。
いろいろとツッコミたい心を抑えながら、あたしは問題の鬼が出る寺へとやってきた。
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まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしています! (2022年5月9日 22時) (レス) @page42 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴぽ - やば‥泣いた………… (2022年1月16日 15時) (レス) @page42 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - とても面白かったです!! 煉獄さんがいつ自分の気持ちに気づくかとても楽しみです!! 主人公も早く煉獄さんに落ちてほしい( ´罒`*) 更新頑張ってください!待ってます!! (2021年11月9日 1時) (レス) @page42 id: a1507cd74d (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - めちゃくちゃ良かったです!続きが気になります!( °∀°) (2021年10月27日 16時) (レス) id: f55d613724 (このIDを非表示/違反報告)
#きのこ - ああああ尊いです 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています(^^♪ (2021年10月13日 15時) (レス) @page42 id: c964701d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年10月14日 15時