100話 ゲスメガネ ページ4
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薄手のワイシャツの上から採寸してもらった。
「ほぉ、なるほどなるほど」
『……』
「サラシはキツめに巻いてます?」
『あ、はい』
「そしたらこのサイズでいけそうですね」
全身を採寸してもらったあと、彼は持ってきていた鞄の中からひとつ包みを取り出しあたしに渡した。
渡した途端、前田さんは足早に踵を返す。
その時、彼が目を細めてニヤリと笑ったことを煉獄さんが見逃さなかった。
「前田殿、少しお待ちいただいてよろしいか!?」
「な、なんでしょう」
「A、もらった隊服を開けてみるんだ」
煉獄さんはなぜか前田さんの行先を塞ぐとあたしに隊服を見ろと言ってきた。
不思議に思って包みを開けると───
『な、なにこれ!!?』
出てきたのは極端に短いスカートと、ボタンがなく前が空いた服。
何このハレンチな隊服!!?
「むう……こんな破廉恥なものをAに着させようとしたのか!!?」
「だって、男の浪漫じゃないですか!!!
女性ならば女らしさを活かすべきです!」
「胡蝶から君が“ゲスメガネ”との異名を持っているという話を聞いたが、本当だったな!
今すぐ普通の隊服を作ってくれ、大切なAにこんな露出狂のような服を着させるわけにはいかない!」
ゲスメガネ!!?何そのいやらしい異名!!!
「露出狂なんて失礼な!恋柱様もこれを着てるんですよ!」
「馬鹿言え!甘露寺だって本当は普通の隊服を着たいに決まっている!!!
彼女は言っていたぞ、作り直してほしいと依頼をしているのにいつまでたっても君が来ないと!」
煉獄さんが大きな声で抗議すると、足音もなく襖の向こうに誰か立っていた。
「あら、なんの騒ぎですか?」
「胡蝶!聞いてくれ、このゲスメガネが!!!」
現れたのはしのぶさん。
前田ことゲスメガネは彼女を見た瞬間顔色を変えた。
「ひぇぇ、胡蝶様!失礼しました、Aさん、ここ、これをどうぞ!!
ちゃんとした隊服です、本当ですから!では私はこれで!!!」
「あらあら、さようなら」
ゲスメガネは猛烈な勢いでちゃんとした隊服を渡して去っていった。
「やはりちゃんとした隊服を持っていたんだな!
危うくAが露出狂になるところだった」
煉獄さん……嫌な予感がしたから守ってくれたんだ。
くぅ、さすが師範。漢だな、かっこいい!
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まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしています! (2022年5月9日 22時) (レス) @page42 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴぽ - やば‥泣いた………… (2022年1月16日 15時) (レス) @page42 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - とても面白かったです!! 煉獄さんがいつ自分の気持ちに気づくかとても楽しみです!! 主人公も早く煉獄さんに落ちてほしい( ´罒`*) 更新頑張ってください!待ってます!! (2021年11月9日 1時) (レス) @page42 id: a1507cd74d (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - めちゃくちゃ良かったです!続きが気になります!( °∀°) (2021年10月27日 16時) (レス) id: f55d613724 (このIDを非表示/違反報告)
#きのこ - ああああ尊いです 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています(^^♪ (2021年10月13日 15時) (レス) @page42 id: c964701d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年10月14日 15時