108話 炎柱と炭治郎 ページ12
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『師範、ただいま戻りました!』
大きな声で帰りを知らせるも、返事はない。
いつも煉獄さんは縁側で帰りを待ってくれているのに、その日はそこにいなかった。
さすがに朝早いもんね、なんて思いながら煉獄さんの部屋をそっとのぞく。
「……」
煉獄さんは顔をしかめ、左目を押さえていた。
「ああ、Aか。よく戻った」
あたしの気配に気がつくと笑顔を作ってくれたけど、顔色が悪い。
『傷が痛むんですね?お薬は飲まれました?』
「痛み止めというものは飲みすぎると効かなくなるらしい。
この程度の痛みなら我慢できる、心配かけてすまない。
……随分面倒な身体になってしまった」
煉獄さんはめずらしく落ち込んでいる。
えっと、こういう時は……。
『煉獄さん』
「……っ!!?A!?」
あたしはぎゅっと煉獄さんを抱きしめた。
『あたしが落ち込んだ時、悲しんでいる時、煉獄さんはこうしてくれました。
抱きしめてもらったら心が温かくなるんです。
だから今日はあたしが煉獄さんをあっためます!』
力を込めて抱きしめると、しばらくしてから煉獄さんは小刻みに肩を震わせて笑った。
「ハハッ、Aは
ありがとうA、君は俺にとっての太陽だ」
笑いあって抱きしめあっていると、どこからともなく声が聞こえてきた。
「A……煉獄さん……何をしてるんだ?」
って、この声……。
『お兄ちゃん!!?』
なんと、部屋の前に立っていたのは炭治郎お兄ちゃんだった。
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まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしています! (2022年5月9日 22時) (レス) @page42 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴぽ - やば‥泣いた………… (2022年1月16日 15時) (レス) @page42 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
*舞夜*(プロフ) - とても面白かったです!! 煉獄さんがいつ自分の気持ちに気づくかとても楽しみです!! 主人公も早く煉獄さんに落ちてほしい( ´罒`*) 更新頑張ってください!待ってます!! (2021年11月9日 1時) (レス) @page42 id: a1507cd74d (このIDを非表示/違反報告)
いぎ - めちゃくちゃ良かったです!続きが気になります!( °∀°) (2021年10月27日 16時) (レス) id: f55d613724 (このIDを非表示/違反報告)
#きのこ - ああああ尊いです 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています(^^♪ (2021年10月13日 15時) (レス) @page42 id: c964701d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いお | 作成日時:2019年10月14日 15時