35.大先輩の涼くん ページ4
sideA
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「お願い!」
「いいけどさぁ…別にご飯くらい自分で誘えば?
知らない仲じゃないんだしさ」
「いや、知らないに等しいって」
時は遡り
映画出演が決まり配役をマネージャーさんから伝えられたあと
来たるインタビューなどに備えて作ちゃんと関係値を築きたいと、なぁくんへ懇願
「てか、姫人見知りじゃないでしょ
さっきはしもっちゃんとみずっくん見かけたから探してきなよ」
「え!?私が!?1人で!?」
「おれ那須とTikTok撮る約束してるから行って来な」
なぁくんに冷たく言われて仕方なく事務所内をフラフラ
「お!Aちゃ〜んっ♡」
語尾にハートマークをつけながら声をかけて来たのは大先輩
「げ…涼くん…」
「今、げって言った?言ってないよな?気のせいだよな?」
笑顔なのに目の奥が笑ってなくて絶妙に怖い
「気のせいです気のせい」
「だよな😊何してんの?」
「人探し…?」
「なんで疑問系なの(笑)一緒に探してあげる。誰探してんの?」
「作ちゃん」
「へぇ〜作ちゃんならあっちにいるけど…
あ、映画決まったから?」
「うん、あんまり話したことないから
インする前にちょっとお話ししとこうかなと思って」
HiHiの待機室まで連れて行ってもらうことになり
着くまでの間、妙にしっとりしたテンションで話しかけられる
昔は普通だったのに年々しっとり感が増してる
「最近優斗と会った?」
「いまはオフシだし、あっちも色々忙しそうだから会ってない
みんなは?」
「オレらもなんだかんだあんまり会えてない
めっちゃ忙しそうだもんね」
「ねー」
「たまにはオレともご飯行こうよ」
「え」
「なに、えって。嫌なの?奢るよ?お兄さんが」
「同い年じゃん」
「でも先輩だし」
「それはそうでした」
「オレとご飯行くのは嫌なの?」
ドンと目の前に手を出され、壁ドンされる形
お、ここが HiHiの待機室か
どうやって涼くんの手をすり抜けようか…
「なにこんなところでナンパしてんの」
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作者名:太郎 | 作成日時:2025年1月17日 23時