11話 ページ12
とある休日
三郎「……あの、Aさん」
鉢屋三郎はお目当ての人がいるであろう事務室の障子を開け、休日にも関わらず仕事をしていたAに話しかけた
『はい、なんでしょうか？』
目を配っていた資料から顔を上げ三郎を見る
三郎「その…この間のお礼をと思いまして……」
目を下へと逸らしながら用件を言う三郎の言葉に、なぜだかピンときていない様子のA
『…この…間…？』
三郎「え？…あぁ、ほら、私と雷蔵の…」
『あぁ！あの時のですね、お礼だなんて…三郎くん自身の行動じゃないですか』
そう言いふんわりと微笑む
三郎「…//…でも…それじゃあ私が納得出ませんので！」
このままでは軽く受け流されてしまうと判断した三郎は、顔をほんのり赤くさせながら説得する
『あら…なら折角ですし…お礼、受け取りましょうか』
この資料に目を通せば休憩ですので、すぐ終わらせますね、と言いまた手元の紙に目を通す
三郎「…あ、じゃあ廊下で待ってます」
三郎がそう言うとまた顔を上げ微笑む
了解の意味だと受け取り、障子を閉め廊下に座り待つ
三郎「そうだ…今のうちにアレ取ってこよう」
__ _ _ _数分後
『…ふぅ、お待たせしました三郎くん』
障子を開けると箱を横に置き外に足を出しながら座っていた三郎がいた
三郎「ああ、お疲れ様です、全然待ってないですよ」
なら良かったですと言いながら隣に正座して座るAに横に置いといた箱をスッと差し出す
『これは、お饅頭ですか…？』
三郎「…はい、勘右衛門が美味しいって言ってたので」
『ふふ、甘いのは好きなので、嬉しいです、ありがとうございます三郎くん』
ニコッと笑うAを見れなくなり、顔を赤くしながら顔を逸らす
『あ、なら三郎くん一緒に食べませんか？』
その言葉に驚き声を上げてしまう
三郎「えぇ？！」
『あら…一緒に食べてくれるところまでがお礼、じゃないんですか？……ふふ』
なんだか楽しそうにしているA
冗談ですよ、と言い立ち上がろうとするAの手を咄嗟にとる
『三郎くん……？』
三郎「いや、その…た、食べます、饅頭…一緒に//」
『…ふふ…ならお茶入れますね』
三郎「は、はい…//」
こうして、のんびりとした午後の時間にAと一緒にお饅頭を食べるといった、ほんわかムードが出来上がった三郎は、なんとも言えない複雑な、でも嬉しいといった感情が入混ざっていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミノ - とっても面白いです！リクエストなんですけど、留三郎と町にいくって言うのと、小平太の看病をするって言うのが見てみたいです！最新頑張ってください！ (2023年4月1日 9時) (
レス) @page14 id: b21339a2c9 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 初コメです！凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです！頑張ってください！ (2022年12月27日 23時) (レス) id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - リクエストとで兵庫水軍と夢主が会っている話を見たいです！！ (2022年9月19日 19時) (レス) id: 65a2a283a0 (このIDを非表示/違反報告)
レレイト(プロフ) - 月兎さん» わぁ〜！リクエストありがとうございます！頑張って書いてみますね！ (2021年1月29日 21時) (レス) id: 991c696538 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 可愛くて面白い作品ですね！リクエストします！打命寺の鐘編でウスタケ城の忍者の長老に欲しがられる夢主さんをリクエストします！更新頑張ってくださいね！楽しみにしています！ (2021年1月23日 10時) (レス) id: 6671492ea8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レレイト | 作成日時：2020年3月19日 1時
