439話 ページ48
_伏黒side_
しばらく沈黙が続く。
「それは＿＿」
先にそれを破ったのは虎杖だった。
何を考えているのか分からないような目でカウンターを見つめていたかと思うと、再び俺の方に目を移し、
「兄からの許可が……出た、ってコトですか？」
「……………………は？」
思わず呆けてそう返す。
そんな俺とは正反対に虎杖は頬を赤く染めながら、焦った様子で体全体を大きく動かす。
「や！だって！
文句言わないってことは、たいして問題が無いってことなんだろ！？俺に対して！！」
「はぁ？」
「はっ！？違うのかよ！！
俺に文句があるからあんな質問したのかと思ってたんだけど！！」
そう言ってギャーギャー騒ぎ立てる虎杖を見ていると、どんどんバカらしくなってきてはぁぁぁ……と怒りを含んだため息を吐く。
「別にお前に文句があるわけじゃねぇよ。
俺がアイツの兄だからって、俺がアイツの相手を選ぶ必要はねぇだろ」
「いやまぁそうだけどさ……」
何かが消化しきれていない様子で言い淀んでいた虎杖は、しばらくすると後頭部を掻きながら言葉を放った。
「お前いっつも何考えてんのか分かんねぇ顔してんのにさ、
なんかあの時お前怒ってたじゃん」
「怒っ…？俺が？」
「おう」
眉を寄せながらその場で考え込む。
「怒ってはねぇ。
お前がAに恋しようが別に俺は文句はないが……」
「ないが？」
じっと床を見つめていると脳裏に浮かんだ過去の記憶。
激しい轟音を立てながらどんどんと屋内が潰れていく中で、悲痛な叫びを上げながら涙を溢す少女。
俺はその場から一歩も動けず、ただひたすらにその少女を黙って見ていた。
ふと目があって少女の瞳が大きく見開かれる。
一粒の大きな涙が頬を流れた瞬間。
「＿＿＿恵」
「っ！！」
ビクッと肩を揺らして顔を上に向けると、眼前に不思議そうな顔を浮かべるA。
「……お前なんでここにいる」
「釘崎がまだ買い物続ける様子だったから逃げてきた。
何かあった？」
いつも通り表情は動かさないままだったのに、何でもない様子で俺の不調を言い当てる。
はぁ…とバレないようにため息を吐いて口を開く。
「虎杖が俺に金払えって」
「俺ェ！？」
「他人に奢らせるのは良くないぞ虎杖」
「それAが言っちゃう？」
嘘だと気づいているはずなのに、そう言って話を逸らすA。
俺はいつだってそれを利用してしまうんだ。
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あいすくりいむ(プロフ) - れんれんさん» 光栄でございます！！！他の作品も更新していきつつ！近いうちに続編を出すので期待しててください！！体調面はなんか妹がコロナになりましたが私はこの通りピンピンしてますので！ご心配無用ですわ！！ (4月28日 9時) (
レス) id: e7cc10d0d7 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - コメント失礼します！個人的には続編ものすごく見たいです！！いつも楽しく見てます！(^o^)体調に気おつけて頑張って下さい！ (4月27日 22時) (レス) id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりいむ(プロフ) - さぼてんさん» ひぇぁい！？ありがとうございます！！主人公ちゃんの戦い方は毎度のことながら頭を抱えまくって考えているので！！読者様を楽しませれるようにこれからも頑張りますので！！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: e7cc10d0d7 (このIDを非表示/違反報告)
さぼてん - 最高すぎます...！主人公ちゃん強いのにどうやって勝負するんだろう...って思ってたら私の想像してたことを超えてきて見てて楽しすぎます！！415話の最後とか1人で悶えてましたw無理のない範囲でこれからも頑張ってください！応援させていただきます！ (2023年4月6日 22時) (レス) @page25 id: f7e14036d5 (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりいむ(プロフ) - うさぎさん» ヒュッ！？大丈夫ですか！？面白いなら良かったです！！ (2023年4月5日 18時) (レス) id: e7cc10d0d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいすくりいむ | 作成日時：2023年3月26日 15時
