唯一無二の友は疑問に思っていた ページ35
エルキドゥ「でも、君はちょっとくらい休憩するべきだと思うよ。
目の下の隈も前より濃くなってるし。」
賢王「たわけ、これくらいで手を休めるわけが無かろう。我にはやる事が山のように残っているのでな。」
それで倒れたら元も子も無いだろうに…。
まぁ、それを言ったところでギルは聞いてくれないんだろうけど。
エルキドゥ「……そうそう。
ちょっと気になってたんだけど…」
賢王「何がだ?」
エルキドゥ「立香はどうしてあんなにも候補生達を庇うんだろう?」
……純粋な疑問だった。
立香が彼等の妬みの対象になっているのは知っていた。
ああいうのはプライドが高くて、自分が一番じゃないと気が済まないタイプなんだって弓の方のギルも言ってたし。
彼等はマスターがサーヴァントと話していると、嫉妬の籠った目で立香を睨んでいた。
僕達に気付かれないようにしてるつもりのようだけど、あまり意味は無さそうだね。
ちなみに、その場に居合わせているサーヴァントは候補生のその視線に気付いている。
……それでも僕達が何もせずに知らないフリをしているのは、立香の言葉があるから。
僕からしたら、立香を邪険に扱うし、そもそも赤の他人なのだから守る義理なんて全く無いと思うんだけどね。
最近だってそうだ。
立香にわざとぶつかっていた。
レイシフト先で失敗して怪我をしていたら嘲笑って見下した。
身体の至るところにある傷跡を、まるで汚物を見るような目で見た。
だから此方もそれなりにお返しをした。
でも、立香はそれを嫌がった。
「自分なら大丈夫だから」と。
賢王「彼奴はどこまでもお人好しなうえに、自己肯定感が低いところがあるからな。
アレはどうやっても直らんだろうよ。」
エルキドゥ「……そっか。
確かに、立香はちょっと甘いところがあるからね。」
賢王「【ちょっと】どころではないぞエルキドゥよ。
アレの甘さと来たら、我が五徹目くらいに飲むコーヒーよりも甘いわ!!」
あぁ、あの物凄く甘いコーヒーだね。
一口飲んだことがあるけど、もう殆ど砂糖を飲んでるような感じだったよ。
エルキドゥ「じゃあ仕方無い。
どこまでも優しいマスターが暗い顔にならないようにしながら、僕達でそれとなく守ってあげようか。」
賢王「まぁ、面倒事を増やさぬ程度に好きに動くが良い。」
エルキドゥ「うん、分かったよ。」
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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
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