21-5 : 待ちに待った君に ページ11
Aの声を拾うひとらんらんのインカムと兄さんが繋いだ緊急通信
この場にいる誰もが息を飲み込んだ
「Aちゃん…」
大先生はかなりのショックを受けたのか顔色を悪くしていた
大先生の言葉を最後に殆どの人間が言葉を発することは無くなった、それでもマイクは声を拾い続ける
『A…？どうしたの、急に叫んだりしてさ？』
『近づかないで！！ひとらんも兄さんも、仲直りするまで私に寄らないで！』
『でも…』
『うるさい！うるさい！！うるさい！！！』
まるで子供のように駄々をこねるAを、いままで誰が見てきただろうか、誰が想像しただろうか？
常に微笑みを浮かべ、喜怒哀楽の激しさは確かにあったけれどそれでも仕事にやりがいを感じているのか文句の一つも言わない新人
家事が得意で人と話すのが好きな社交的な女性
拒絶しようとしない、拒絶できない優しい人
我々が彼女に張り付けたレッテルが剥がれ落ちた
心の奥底に眠っていた子供の時にするはずだった甘え、孤独を振り払おうと常に人を求める貪欲な姿、仲間…大切な人間だれしもに愛されたい、それも無償の愛が欲しいと叫んだ彼女
下心も、裏切りも、愛ににて異なる憎悪も無い
本来なら親から与えられる筈のアガペー
彼女はそれを我々に求めていた
彼女の他人への優しさは自分への愛を無意識に得るため、彼女の拒絶のできない態度はどこかで愛されたいと願った故
違う
あくまでもそれは今の彼女の心、幼児退行することで得た心の平穏の形そのものであった
彼女の優しさは本心だった、けれど愛もともめていた。拒絶できないのは本当に優しさはかもしれない。
様々な思考、解釈がこの場の全員の頭に飛び交う
この場にいない彼は一体何を思うのだろうか
『なぁA、やっと本音。話してくれたんやな』
男性にしては高く聞き取りやすい特徴のある声意識せずとも彼の濃い金髪と雄大な空を思わせる瞳が思考を支配した
＿＿
私の視界に写るのは１人の青年
笑っているのか細められた瞼
少し涙を流したのか薄い赤に染まる目元と鼻
太陽の光を持ってきたような暖かな髪色
犬歯を覗かせ笑う口元を良く知っている
その瞳が姿を表す
果てしなく続く青空を…夏空を切り取らずに収めたような空色の瞳が私を見つめる
心臓が煩い、本音を漏らしたからなのだろうか
私はこんなに大切な彼を忘れていたのか
「なぁA、迎えに来たで！一緒に帰ろう」
いや…
「皆で、仲間の元に帰ろう」
心に暖かさが広がる
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夜空音 - 狐（こん）△さん» コメントありがとうございます！青い鳥は見てはいるのですがアプリは入れてないんです…すみません(´・ω・`)これからも応援お願いします！ (2017年7月26日 0時) (
レス) id: 5aad051f04 (このIDを非表示/違反報告)
狐（こん）△(プロフ) - 夜空音さんのお話がとても好きでコメントを書いてしまいました！とっても好きです！これからも応援してます！（夜空音さんは青い鳥などやっておられますか？やっていらしたらお話したいのですが…） (2017年7月25日 22時) (レス) id: 31e766e5ec (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - 捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪さん» ヤンデレ美味しいですよね…！彼には今後も期待してて下さい！ (2017年6月12日 1時) (レス) id: 09c0159810 (このIDを非表示/違反報告)
捨てられた寝ぇ猫(∂ω∂)♪ - ヤンデレ美味しいﾑｼｬﾑｼｬ← (2017年5月28日 13時) (レス) id: 308487bf5b (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - みいろさん» ヤンデレらんらんさん好きなので書いてて楽しいです…w 夢主ちゃんには頑張ってもらわないとですね…！ありがとうございます (2017年5月5日 12時) (レス) id: 3232c3fbe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2017年4月21日 0時
