新八ストレイドッグス 第三訓

キュウジュウキュウ ページ11

「それはどういうことだい？」



この声は新八のものではない。



「うわっ！！」


「やっほー新八くん」


「だ、太宰さん！？どうして」


「いやね、新八くんの部屋から何やら騒がしい音が聞こえるし、鍵も開いてたから入ってきちゃった」


「そんなに騒がしかったですか...？」


「うん、君の声がアパート中に響き渡っていたよ」



気づけば太宰は新八の横に座っていた。



『そのままですよ。私たちの目から見たこの世界は簡単に言うと「パラレルワールド」というものです』


「パラレル、ワールド？」


『ええ、私たちの世界には“天人”が、この世界には“異能力者”がいます。大きな違いで言うとそこでしょう。しかしその二つの世界にも無限にまた分かれた世界があるのです。例えば私がここに現れようと思わなかったら？その場合の未来と今から辿る現実の未来、同じであると言えるでしょうか』



分からなくなってきた、と新八は思ったが太宰は話を促す。



「それで？」


『つまり、“天人”がいて虚を倒した世界を君が取り戻せばいいんです、新八くん』


「そんなのどうやって？」


『君がここにいるのは異能のせいです。それ以外の理由はないでしょうしね』


「それは私も同感だよ」


『じゃあまずは異能力者を倒せばいい。そういうことです』



なるほど、実にシンプルでわかりやすい。

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