愛されすぎて困ってます。 (ページ4)

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初めて会ったとき、

怖そうな人という印象はなかった。

どちらかと言うとこういうお兄ちゃんほしかったな～って感じ。

会話はほぼ、カタコトな韓国語に激しい身振り手振り付きしかできなかったけどそれでも嫌な顔せずあいづちをうってくれたし、

気分転換に散歩に連れてってくれたり、バスケを教えてくれたり…

これぞまさにオッパって感じで、本当によくしてくれた。

『オイ、嫁、膝枕』

…そう、過去形なんです。

｢わたしは嫁じゃない｣

『オマエ以外に嫁なんていらねぇ』

ゆんちゃんはぜんぜんオッパじゃなかった。

むしろ、というかただの、変態ワガママくそジジイだった。

｢ちょ、寝転がってこないで邪魔｣

『オイ、逃げんな』

メイク待ちの間。ソファーでのんびりしようかなと思っていたわたしの膝上に無断で寝転がろうとするゆんちゃん。

ねえ、のんびりしたいのはわたしなんだけど。

｢え、ちょ、っと何してんの｣

『は？』

｢いや、それはこっちのセリフ。え、何触ってんの｣

『何って、太もも』

｢いや、何その顔。意味わかんない。早く手退けてくれない？てか、ついでに膝からも退け？？｣

『別にいいだろ』

｢は？？？｣

『嫁なんだし』

｢だから、嫁になった覚えないって｣

『じゃあこれから結婚すればよくね。ん、日取りはいつがいい？』

ああ、あの頃の自分を殴りたい。

こんなヤツのどこが理想のお兄ちゃんだ。

｢セクハラで訴えてやろうかこの変態ジジイィィィイイイイイイイイ！！｣

ああ、誰か助けてください…

愛されすぎて困ってるんです…。

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